If Destiny 2 (ページ7)

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あげたデイジーの花束の匂いをかいだり
微笑みながら見つめたりする、
なつきの横顔を見て嬉しくなった。

長年探し続けた、命の恩人に会えて
私はかなり浮かれてた気がする。

だから、なんの気なしに身の上話とかしてしまった。

『私ね、お兄ちゃんがいるの、双子の』

「そうなの？」

『うん。毎朝一緒に学校行ってたんだけど
Muguetはその途中にあってね』

「うん」

『かわいくて綺麗だなぁって
毎朝立ち止まって見てた。
お兄ちゃんは置いてくよって言いつつ
いつも絶対近くで待ってくれてて…』

「いいお兄ちゃんだね」

『うん、自慢のお兄ちゃん。
でもあの日、お兄ちゃん風邪ひいちゃってさ』

「…うん」

『だからお見舞いにお花を渡したくてね？
どれにしようか悩んでる時になつきと会ったの』

今思えばあんな小さな子どものお小遣いなんて
たかが知れてて綺麗な花束を買えたとは思えない。

買えたとしても一輪。

子どもなりに何かしたかったとはいえ
それを考えると我ながら少し笑えた。

でもね…

『なつきがデイジーをくれたおかげで
お兄ちゃんにお見舞いのお花を渡せたんだよ』

そう言うと満足そうに笑ったあと
ポケットに突っ込んでた手を出して
私の頭をポンってした。