全部、君のせい

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忙しかった今週も最終日。


どうせまたすぐに忙しくなるんだけど
少しだけ早く終わった個人の仕事、

浮かれながら外に出ると…





「うわ…雨やっば…」





生憎の雨、せっかく早く帰れるのについてない。


撮影場所が家の近くだからって
送迎車断るんじゃなかった、とか後悔。

こんな土砂降りの中、タクシーが捕まるわけもなく
バッグから折り畳み傘を出して歩き始めた。




雨は嫌いじゃないけど、靴は濡れるし、
コンビニ寄ってアイス買いたかったのに
あんまり気は乗らない。





「あ、まだアイス2個あったわ」





食べ損ねてるアイスがあるのを思い出して
コンビニの前を通り過ぎようとした時…





.






「A？」






.






軒先で立ち尽くすAを発見。


隣に並んで傘を閉じた。





「こんなとこで何してんの？」


『あ、夏輝か』
　

「帰んないの？」


『帰るは帰る』


「どういうこと笑」


『雨だから。フードかぶって走って帰るか、
止むまで待つか、500円で傘買うか、迷ってた』


「なにそれ笑
走って帰ったら危なくない？
それに、これ多分止まないでしょ」


『全滅じゃん』


「俺、傘持ってる」





自慢気に傘を開いて軒先から出ると
Aは小さく笑ったあと

『じゃあ、それで』って
一応フードをかぶりながら傘に入ってきた。

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