Dear Destiny ~僕が見える君と~

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「なつき、にやけてる」


「え？」


「で、その子がどうしたの？」


「あぁ、ちょっと面白いんだよね」




僕の言葉にナツキは
本を読む手を止めてなぜか驚いた顔をしてた。


あと、君のことを思い浮かべると
なんだか懐かしい気がした。




「なつきもそんな顔すんだね」


「え？どんな顔？」


「人間みたい」


「どういうこと？」


「人間らしいってこと」


「…人間じゃないし興味もないよ」


「俺は興味あるから会ってみたいな、その子」




結局どういう顔なのか分かんなかったし
ナツキとの会話は脈絡がないことが多い。




「会ってもナツキのこと見えないでしょ」




そう言うと、あ！って思い出したように本を閉じた。




「忘れてた。
用あったからなつきんとこ来たんだったわ」


「こんな世間話しといて？笑」


「神様が呼んでるって。
仕事終わったら来いって言われた」


「残業……」


「やっぱ人間みたいなこと言うし。笑」


「呼ぶなんてよっぽどのことじゃん。
僕らなんかした？」




呼ばれるなんてやな予感しかしなくて
もうすでに行きたくない。




「それは大丈夫、俺ら最近成績いいから
一個願い叶えてくれるって話」


「なにそれ、どういう風の吹き回し？」


「まぁいいじゃん？
こういうのは素直に受け取れば」




珍しく楽観的なナツキは
何にしよっかなぁって浮かれてる。



願いを叶えてくれるなんて
相変わらず神様は気まぐれで

多分というか絶対、
他のやつにやる気を出させる為の見せしめ。

僕からしたら見せしめ。




内容によってはなりたくもない人間に近づく気がして
なんだか複雑だった。

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