Dear Destiny ~僕が見える君と~

. ページ26

2年前に君を見つけたあの日

君の隣には恋人がいて、君はいつも笑ってたね。



その姿を何するでもなく
いつも眺めてたなんて知らないでしょ？




けど、あの日いつも笑ってた君が泣いて
大粒の雨を降らせた。


きっと自覚はなかっただろうけど
あの雨は君が降らせたんだよ。


願い通り、止ませたのは僕だけどね。





それから、めんどくさそうだなぁって思う反面
どうして泣いてるのかを何故だか知りたくなった。



君が考えてることは
普段流れるように頭の中に入ってきてたのに
大事なことは聞こえない。


ただ、君は思ってることをほぼ叫んでくれて
それが僕にはおかしくて


ダメって分かってるけど
もっと本音を知りたくて
少しだけ心を読んでみようとした。


でもどうしてか
頭痛い上に断片的にしか分からなかった。



こんなの初めてだった。




それに、君には僕の声も聞こえて
姿も見えるみたい。



"戸惑う"も初めてのことで


稀に僕たちの姿が見える人間がいるって
噂はあったけど、自分の身に降りかかるなんて
思いもしなかった。



今まで、ある時を迎えた人間に会う以外
姿を見られることはなくて

君は多分まだなのに僕が見えることが
不思議で仕方なかった。




君の笑顔も、泣き顔も

雨を降らせたことも

僕の声が聞こえたことも

僕の姿が見えたことも

タルトタタンとコーヒーを頼むのも

きっと全部必然で

ずっと前からこうなるって決まってた。



なんて、運命信じる女子みたいなこと言ったら
君は絶対笑うよね。


それどころかめちゃくちゃバカにしてきそう。




でも本当にそう思ったし
実際そうだったんだよ。


だから僕は君に出会えた。


僕は初めて生きる意味を見つけた。









君と生きたいと思った。









これは名前も知らない君と
人間じゃない僕の話。







ー







今さらタイトル変えようか悩み中です…

ずっと勝手にもやっとしてるので
変えますね、これは。笑



読んでいただき、ありがとうございました！

2人の願い→←名前も知らない君

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す