13話 理解できない事。 ページ13
「A、今日はもう終わりだ！」
「えっ、ちょ、早くねっ、？？」
「そんなバカスカ投げて習得出来るようなタイプじゃないだろお前は。コツは何となく掴んでみてえだし、続きはまた明日な？」
御幸は既に防具を外しながら答える。
いや、にしても15球は少なくねえ…？
「御幸ぃ、後5球だけ…」
「…俺の言う事に従わないとどうなるんだっけAサン？」
「…………鬼嫁」
全くもって耳を傾ける様子のない御幸にムッときて、聞こえないくらいの声でボソリと呟いたつもりだったが、「オイ、聞こえてんぞ！」とすぐさまお咎めの声が飛んでくる。
地獄耳かよマジで！！
俺は不機嫌感を丸出しにしながらも、仕方なく片付けを手伝い始めた。
黙々と片付けを終え、風呂行くかあ、とノロノロ寮へ向かい始めたところで御幸が口を開いた。
「Aって、ちょっと沢村に似てんのな(笑)」
「…は？」
御幸の口から一生言われる事の無いはずの言葉が聞こえたような気がして、不意を突かれた間抜けな声が出てしまった。
俺と沢村が似てる？いや、どっちかと言うと正反対では？
御幸が何をどう見てそう思ったのか、全くもって理解出来ず熟考していると、隣から軽快な笑い声が聞こえる。
「はっはっはっ！眉間に皺寄りまくってんぞ(笑)」
そういって俺の眉間を親指でぐりぐりと押し付けてくる御幸。
…いや普通に痛いからな！！？
やめろ触んな！！と御幸の腕を掴んで後ろへぶん投げると、何故かより一層軽快に笑い出す御幸。
なんだよドMか？？気持ち悪いなコイツ…
ひとしきり俺と御幸の攻防が終わったところで、改めて先程の発言についてどういう意味かと問いただしてみた。
「んー、思ってる事全部顔に出るとことか？」
「え、俺そんな分かりやすい？」
「おう、めちゃくちゃな」
続く (更新停止中)
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作者名：ぜんざい | 作成日時：2023年8月1日 21時
