夢現な恋模様5【浦島坂田船】

233華 ページ39

『そ、それは……』

黄玉 ｢あ、そういえば｣

私が言おうか悩んでいると黄玉花魁が何かを思い出したらしい

黄玉 ｢今日は、マスクをしてらっしゃるんですね｣

『っ！！』

帽子も被ったままですしとあんまり触れてほしくなかったところを言われてしまった

『うん……そのことなんだけど』

黄玉 ｢あい｣

『今日は僕、マスクと帽子外さないから』

黄玉 ｢え？｣

黄玉花魁は驚いた顔で私を見ている

そりゃ、室内にいるのに帽子を外さないなんておかしいと思うだろう

でも私にとっては死活問題なのだ

前の時にフードを被っていたから髪は見えなかったはずだけど、顔は見えてしまっているかもしれない

押し倒されてあんな大粒の涙が見れる距離だったのだ

顔を見られててもおかしくはない

なので一応今日は、この間のことにならないようにマスクと帽子を外さないことにしている

黄玉 ｢なぜですか？｣

黄玉は不安そうに私を見ている

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