43.“傷付くこと” ページ43
「……A、戦うの楽し？」
「…はい。とっても、楽しいです。…そんな私は、変でしょうか」
「んーん。かっこいいと思う。怪我はあんまししてほしくないけど…」
んー、と唸りながら笑ってはくれないクララさんにしょんぼりしていると、それに気付いたのか彼女自身が飛びついてきてぎゅうと私にハグしてくれます。
ぐっときて思わず私も彼女を抱きしめると、クララさんは私を宥め賺すように「よしよし」と私の背中をぽんぽん叩いてくれました。
「うーん…Aちゃんって勝負事が好きなのかな。駆け引きというか何というか」
「…お前、他に趣味や楽しみはないのか？」
「………私、人とわいわいするのが好きなんです。シアやミアと取っ組み合うのもその一環で」
「………そんな無茶苦茶、お前しかやらないぞ多分…。」
「……というかAちゃんのそれは相応の絆があること前提のものだと思う…。」
入間くんとアズくんのげんなりした表情にまた落ち込んでいると、ふわっとミアが私の前に寄ってきて私に鼻ちゅーしてくれました。
続くようにシアが私の傍に寄り添い、その大きな手で私の頭を撫でてくれます。
『…Aが我々と触れ合うことを楽しい、と言ってくれるのは嬉しい。だが、お前はもっと多くの者達と触れ合うべきだ』
「…シア」
『お前をお前たらしめるのは、お前自身や我々だけではない、他の者達との絆だ。仲を育み、お前はもっと傷付くことを恐れるべきだ』
傷付くことを、恐れる。
そっとクララさんごとシアに抱き抱えられ、私達はその懐に収まります。
『お前は友の為に自らが傷付くことを恐れない。…だが、その友が、傷付くお前を見て傷付いていることを、お前は理解しなければならない』
シアのその言葉は、まるで子供をあやしているかのような、諭すようなものでした。とろりとした暖かく柔いものが私の中を満たし、私はクララさんを抱き寄せます。
「…クララさん。クララさんは、私が傷付くのは嫌ですか？」
「うん。そりゃそうだ。あたし、Aが怪我してると悲しいよ」
「……そっか。…そっか……。」
友達が傷付くのは悲しい。だから私が傷付く。私は、傷付くことを恐れたことはありませんでした。
でも、私が傷付いたことで、私のように友人が悲しんでしまうとしたら。
それは、なんて恐ろしいことでしょうか。
傷付けたくない人を、私自身が傷付けるだなんて。
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ako(プロフ) - 最高すぎてやばいですえ、すきです。脇役のこの子可愛い！！！更新頑張ってください！応援してます！！！ (2020年5月19日 17時) (
レス) id: 444283ccfe (このIDを非表示/違反報告)
脇役(プロフ) - チョコレートさん» あんまり褒められちゃうと私調子乗っちゃうから程々がいいんですよ！←ありがとうございますwまったり続編をお待ちいただければ幸いです！ (2020年2月1日 19時) (レス) id: bd1474991a (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - え、好き(唐突)ヤバイすごい無理面白い(語彙力)ｹﾞﾎﾝ…初コメの初っぱなからスミマセン…これから更新頑張ってください！応援させて頂きます！ (2020年2月1日 15時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)
脇役(プロフ) - 藤の花さん» そんな私率直な言葉に弱いんです////すいませんありがとうございますｗ設定の盛りっぷりには賛否あるかと思いますが、楽しんでいただけたようで何よりでした！ぼちぼちやって参りますので、続編もお楽しみに☆（ (2020年1月28日 15時) (レス) id: 0706dee424 (このIDを非表示/違反報告)
藤の花 - 脇役さんに惚れました(直球)すごい設定も物語もつくりこまれてて、一話一話ワクワクしながら読ませていただきました。お体に気をつけて自分のペースで更新頑張って下さい！続編楽しみに待っています！ (2020年1月28日 15時) (レス) id: 17c70a6373 (このIDを非表示/違反報告)
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