15.“不慣れ” ページ15
彼は、私の生い立ちを理解していました。その能力の高さゆえに、事前情報などなくとも感じ取ることが出来ていたのでしょう。
『人間の肉体が魔力を抱えて変質し、悪魔へと相成る…その事例は過去にも一度見たことがあるが、変質したばかりの悪魔の肉体は魔力の循環が不安定で脆い。魔力が暴走を起こしたり不安定による体調不良はままある』
「え゛っ。…そ、そう…なんですか？」
『…私が見た悪魔は、悪魔化した自らを驕り循環が安定する前に過度の暴走を起こして死んだ。…もしもの時に魔力を送り込む必要性が生ずるならば、“繋がり”はあった方が都合が良い』
「…つまり、あの…貴方が名付けを求めたのは私の為だったと…？」
『…現在こそ悪魔化したばかりで肉体も脆いが、お前の魔力は純度も高く量も申し分ない。その上で…お前がその性格をしていることを、私は評価した』
「…私の、性格？」
『A』
「は、はい」
『お前は、強くなる。』
真っ直ぐに私の目を見てそうはっきりと宣った彼に、私はつい、思い切り照れてしまいました。
私は幼い頃から運動も勉強もそれなりに出来ましたが、それ故両親にとっては出来るのが当然で、だから、あの人達に褒められるということはそうそうありませんでした。
どれだけ私が努力をしたところで、あの人達はもっと、もっと、こんなものじゃない…と、決して喜んではくれませんでした。だからか私は高評価を賜ることに不慣れなのです。
「おっ？！どしたA、シアさまに口説かれた？！」
「口説かれてはいないです褒められただけですすいません落ち着きます」
「露骨に取り乱している…」
「…お前でもそんな風に慌てることがあるんだな」
「私を何だと思ってるんですかアズくんは！」
「教師に対してあれだけのことを言えるのだからさぞかし豪胆な奴なのだなと」
「…度胸があるとは偶に言われます」
目に見えて取り乱しているのが察せられるようで、それが恥ずかしい私は頬を挟んで自らを宥め賺すようにぺちぺちと叩きます。
「ええと、ええと…あの、入間くんの質問に対するシアの回答なんですけど」
「あ、う、うん。どうだった？」
「どうやら私、魔力の循環が不安定で肉体が脆い状態にあるようなんです。シアはそれを補う為に私との繋がりを得ようと名付けを選んだみたいで」
「えっ…それ、大丈夫なの？」
「大丈夫なようにとの措置だったので…多分先の心配は要らないのかなと。」
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ako(プロフ) - 最高すぎてやばいですえ、すきです。脇役のこの子可愛い！！！更新頑張ってください！応援してます！！！ (2020年5月19日 17時) (
レス) id: 444283ccfe (このIDを非表示/違反報告)
脇役(プロフ) - チョコレートさん» あんまり褒められちゃうと私調子乗っちゃうから程々がいいんですよ！←ありがとうございますwまったり続編をお待ちいただければ幸いです！ (2020年2月1日 19時) (レス) id: bd1474991a (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - え、好き(唐突)ヤバイすごい無理面白い(語彙力)ｹﾞﾎﾝ…初コメの初っぱなからスミマセン…これから更新頑張ってください！応援させて頂きます！ (2020年2月1日 15時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)
脇役(プロフ) - 藤の花さん» そんな私率直な言葉に弱いんです////すいませんありがとうございますｗ設定の盛りっぷりには賛否あるかと思いますが、楽しんでいただけたようで何よりでした！ぼちぼちやって参りますので、続編もお楽しみに☆（ (2020年1月28日 15時) (レス) id: 0706dee424 (このIDを非表示/違反報告)
藤の花 - 脇役さんに惚れました(直球)すごい設定も物語もつくりこまれてて、一話一話ワクワクしながら読ませていただきました。お体に気をつけて自分のペースで更新頑張って下さい！続編楽しみに待っています！ (2020年1月28日 15時) (レス) id: 17c70a6373 (このIDを非表示/違反報告)
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