.1話. ページ3
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「坂田さん 私と結婚してください!」
「うるせぇ」
「なら付き合ってください!」
「逆だからね!?順序が!」
出会ってから1時間後。
初っ端に変なことをぶっ込んできた女を無視してパチンコ屋にやってきたのだが、
騒がしい店内にまで着いてきた女は俺の耳元で叫んでいた。
周りがうるさいのにキンキンと高い声で叫ぶ為、周りの人間の視線は俺達に集中していた。
居ずらくなった為に座っていた台を捨てて店から出た。
「坂田さん坂田さん」
女は後ろを雛鳥のように着いてくる。
暫く無視をしていたのだが、何度も何度も俺の名前を呼んでは
時折俺の顔を覗き込んでくる。
「うるせぇ
なんなんだてめぇは
なんで俺の名前知ってんだ」
頭をガシガシと掻いて自分の家の階段を登る。
「坂田さんのストーカーです」
「分かってんじゃねぇか お疲れさん」
ひらりと手を振って扉を閉めた。
正直何もしていないのに疲れた。
まだ初夏のはずなのに真夏のように暑い。
重苦しい体を引きずって寝室へと足を運ぶ。
「いきなり寝室だなんて大胆」
耳元で声が聞こえてゾクリと悪寒が走る。
暑苦しく重苦しいと感じていたのは、ストーカー女が俺の背中にしがみついていたからだった。
「暑苦しいわボケぇ!!」
そのままいっちょ背負い投げ。
軽い体は宙を舞い、女は体を打ち付けて気絶した。
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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年2月18日 7時