Sm ページ22
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喧嘩をした。本当に些細な事できっかけが何だったのかはっきり分からない。別に仲が悪いカップルでも無いけど、どんなに仲良くても引っかかるところはある。多分日々の鬱憤や漠然とした不安が積もり積もってこうなったんだろう。
どうしたものか、と考えるが、ひとつ屋根の下で同棲している以上長引くと面倒しかない。それにはよAと仲直りして、肩並べて笑い合いたい。そう思い立った俺は、颯爽とAが引き篭る部屋まで足を運んだ。
……
「A、入ってもええ？話、あるんやけど」
ノックをしてみたものの、彼女からの返事はない。「入るで」ともう一度声を掛けてから扉を開ければ部屋の隅に三角座りしているA。自分の部屋なんやからそんな隅っこ寄らんでもええのにと笑ってしまいそうになる表情を引き締める。
「なぁ、A」
「……別れ、話？」
「へ？」
「だって、話あるって」
「あぁ……ちゃうちゃう、別れ話なんかやないよ」
「ほん、と？」
「ほんま。謝りたくて、ごめんな」
安心感からか分からないが、くりっとした瞳に溢れんばかりの涙を溜めたAが抱き着いてくるのを受け止める。
「私も、ごめんなさい」
「よしよし、これからはお互い思った事あったらちゃんと言い合おな。もう喧嘩は懲り懲りや」
おちゃらけたように笑って見せれば、花が咲いたように微笑むA。ほんまにかわええ。
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「……志麻くん」
「ん、なに？」
「愛しちゅうよ」
「！？」
どうやら彼女に先手を取られたらしい。仕返しと言わんばかりに、彼女の後頭部へ手を伸ばし引き寄せ深く口付けた。
幸せとか以外でもう泣かさへんから。
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mi(まい)(プロフ) - 林です。嘘です。さん» 切ないお話を書きなれてないのでそう言って貰えて凄く嬉しいです、ありがとうございます( ;_; )！ (2020年5月26日 17時) (
レス) id: 0f8661bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
林です。嘘です。 - 3番目の切ない感じが好きです！ バッドエンドとかが少し好きなので、私の好みでグッときました。 (2020年5月25日 2時) (レス) id: aa4022e14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi(まい) | 作者ホームページ：http://twitter.com/muikrn
作成日時：2020年5月23日 3時
