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41話 ページ41

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銅を両断された。本当の本当に今ここで死ぬんだ。



短い人生だったなぁ。十四年、か。








……でも、すごく。すごく幸せだった。



辛いことや苦しいことが何度もあった。本当に生きることが辛くなることが数え切れないほどあった。


記憶を失くした僕は、ただ鍛錬をするだけの人形のような人間になっていたと思う。

無機質に、血の滲む努力をしてきた。
色の無い世界で。何の為に生きているのかわからない世界で。








でも、そんな世界に終止符が打たれた。

君を見つけたから。





初めて蝶屋敷に手当をして貰いに行った時、君と出会ったんだ。

治療をして貰う為の診察の待ち時間に、女性隊士の手当をしている姿をたまたま見かけたんだ。



その時の瞳がすごくすごく優しくて、そのちょっとだけぎこちない手付きが堪らなく綺麗で。

手当を終えてその隊士を送り出す時に優しく微笑んで




「ご武運を。」




そう言葉を紡いだ。紡がれた言葉の裏側には「生きて帰ってきてください」という切なる願いが息を潜めて隠れているような気がした。



誰かの為に懸命に腕を動かす君の姿をこの瞳に捉えた瞬間。
君の鈴を転がしたような優しい声が耳にかかった瞬間。

僕の世界が色鮮やかに輝き出したんだ。輝いて見えたんだ、世界が。



真っ白な厚紙に、一筆、また一筆と極彩色が付け足されていくような感覚に陥った。





ああ、好きだ。本能が、魂が。彼女を欲して仕方ない。

あの日、あの時。僕は確かに彼女に惹かれた。
まるで運命の赤い糸で繋がれてたんじゃないかって錯覚してしまうように。








…ごめんね。ずっとずっと嘘をついていて。



君が大切だと、大好きだと言ってくれた“むいちゃん”なんて女の子は実在していないんだ。

その正体は君に溺れてしまったただの男だったんだ。



何度も何度も打ち明けようとした。
でも、言えなかった。僕は君のことになると酷く臆病になってしまうから。



失うことが怖くて。
嫌われるのが怖くて。
最低な人間だと思われるのが怖くて。


ずっとずっとひた隠しにしていたんだ。



…せめて、最期に。
好きだと伝えたかったなぁ…。







微睡む意識の中、十四年の生涯に幕を閉じるその瞬間に聞いたのは、大好きで大好きで仕方ない、愛しい人の声だった。









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「やだ…やだぁ…だめ、だめ…お願い、いかないで!無一郎君(・・・・)…っ!」

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ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス -  うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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