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11話 ページ11

「あ、お勘定しなきゃね。」

「あ、そうですね。」



Aは蝶の模様があしらわれた財布を取り出すと小銭を何枚かその中から出した。

しかしその手はすぐに止められてしまった。



「いいよ、僕が払う。」

「え、駄目ですよ、こういうことはきちんとしないと…。」

「別に良いよ。」



___僕は男だから。



喉元まで出かかったその言葉をぐっと飲み込む。

あくまでAの中では無一郎は“むいちゃん”という女の子。
そんなこと、言えるわけがない。



突然黙りこくった無一郎を不思議そうにAは見る。



「…むいちゃん?」

「…あ、えーと、お礼ってことで僕に払わせてよ。」

「お礼…?」

「そう。今日一緒に来てくれたお礼。」



無一郎は微笑みながらAにそう言った。
これなら良い口実になる。名案だ。

しかしAはその言葉に首を縦に振ることはなく。



「それなら…私が払います。」



こう言った。

無一郎は目をぱちくりさせてAを見る。



「だって、私がお礼、したいですもん…。」



ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ恥ずかしそうに俯きながらモジモジするA。

無一郎はその可愛らしさに危うく吐血してしまうところだった。



「えっと……今日、此処に連れて来てくれて…ありがとうございます…。」



ますます恥ずかしそうにしたAはさっと下を向いてそう告げた。

長い髪に隠れて顔は良く見えないけれど恥ずかしさで頬が赤らんでいることは想像がついた。



「(待って待って可愛い可愛いどうしよう可愛いんだけど)それなら僕の方こそありがとう。Aと一緒にいるの凄く楽しいし。」



心の声が大変なことになっていることは置いておいて。

何とか緩みまくる頬を正して無一郎は微笑んだ。それを見たAも赤らめた顔に微笑みを浮かべた。



「ふふっ…。」



はにかむようにして笑ったAの笑顔は無一郎を失神レベルに追い込むのに充分すぎるくらいの力を持っていた。



射抜かれた心臓に手を当てて無一郎は自分の心臓が正常に動いているかを確かめた。

確かめた結果、正常じゃなかった。いつもの八倍は早く心臓が波打っていた。(本人談)

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ピクルス - 号泣 (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
ピクルス -  うわぁぁぁぁぁぁぁあん!無一郎くん死なないでぇぇぁえぇぇぇぁあぇぁあええ (2020年9月9日 14時) (レス) id: 2a7c012e78 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - わたぬきくん。さん» お祝いのお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて嬉しい限りでございます!最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月30日 10時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
わたぬきくん。(プロフ) - テスト期間終わってきたら完結してた…ああもう号泣です!完結おめでとうございます!(泣) (2020年8月29日 14時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - リムさん» お祝いのお言葉と応援のお言葉ありがとうございます!そのように言って頂けて光栄の極みでございます…!本当に感謝の限りです。最後までお付き合いくださりありがとうございました! (2020年8月27日 0時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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