むいちゃんはじめました。【鬼滅の刃】

37話 ページ37

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「緊急招集ーッ！緊急招集ーッ！
産屋敷邸襲撃ッ…産屋敷の襲撃ィ！」





優しくて、穏やかで、幸せな日常は約束されたものではない。

いつ崩れたっておかしくない、暗闇の中薄氷の上を歩くような危うさを秘めている。



でも、それに気づくのは全部全部失った後。



その緊急の伝令は蝶屋敷で働くA達の耳にも届いていた。









「しのぶ姉様…カナヲ姉様……むい、ちゃん……っ」



すごく、嫌な予感がする。


全身に気持ち悪い汗が流れる。
身体が震える。視界がぐらぐら揺れる。





「………………いかな、きゃ…。」





心が、本能が、遺伝子が、魂が。
轟音を立てて叫んでいる。

ここにいては駄目だと。
あちらに行かねばならないと。





「っA！どこへ行くの！？」


「ごめんなさい…っごめんなさい！アオイ姉様！」


「A！？待って、止まりなさいっ！」





初めて、姉様の言うことに刃向かってしまった。

ごめんなさい、ごめんなさいっ…！



でも、私の身体に流れる血が、身体中の細胞が、疼いているの。

早く、早く、行かなくちゃいけないって。








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「アオイさん！早く薬品の準備を！早くっ！」

「…っ！わかり、ました…っ！」





A、貴方はどこへ行ってしまったの。

すごく、嫌な予感がする。本当なら今すぐにでも追い掛けたいのに…っ！




しのぶ様、カナヲ、A……。

どうか、どうか。無事でいて…。

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