【完結】ハナミズキ(実況者ポッキー)

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さてどう説明しようか
俺とあの子の複雑な関係
…いや複雑だった、関係か
もうとっくに終わった過去の話な訳で
だけどAちゃんはそれを現在進行形だと思っている

どうしよう
なんて、まるで浮気の言い訳を考えているかのような状況に少し笑ってしまう

別にいいか、正直に言えば
取り繕う理由はないから


「…俺の片想いだったんだ」

「かた、おもい」

「そ。で、きっちりフラれておしまい」


にっこり笑ってなるべく明るく告げる
間違っていない、簡単に言えばそういう事だから

それ以来会ってすらない、だから見ないでしょ？

そう伝えれば彼女はきょとんとした表情で静かに頷いていて
それはよっぽど予想外だったようで、飲み込むのに少し時間がかかっていた


「そうだったんですね…私、てっきり」


その顔は眉が下がっていて、申し訳なさそうな
あからさまに落ち込んで見せる彼女
自分の中ではケリをつけているつもりのそれにそんな様子を見せられると困ってしまう

…正直にいえば痛む心はまだ残っているけど
情けない自分に目を向けたくないから、もう何でもない俺でいたい

だから


「だからほら、名前、全然大丈夫」


グ、と親指を立ててウィンクする勢いで言ってみた
重くなりそうなこの場を和ませようと思って
そんな俺を見て彼女は少し間をあけて、それでも柔らかく笑ってくれる


変わっていいく空気にほっとして


「友達、でしょ？」


だから敬語もいらないよ
調子づいて、畳みかける様にそう言う

一瞬目を丸くして
そしてみるみる顔を赤くしていくAちゃん
その様子はとても初々しいというか、ウブというか
まぁ可愛らしいものだった

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