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顔なんてあげられる訳ない
全身の震えを抑えるので精一杯
姉にも伝えられなくて、拒否できなくて
流されるままに彼の前へ
(…びっくりしてたな)
本当に、久しぶりに近くで顔を見られた
それが嬉しいと感じてしまっている
…重症だ
彼が私を前にどう思ったかなんてどう考えてもいい様には捉えられないのに
ドキドキと高鳴る胸に苦しくなる
「Aー！」
「ッ！」
背後から聞こえた声に私は慌てて目元を拭った
泣いてる場合じゃない
悟られる訳にはいかないから
振り返れば満面の笑顔でこちらに駆け寄ってくる姉
私が先に握手…してないけど、そこから出て数分でその次の順番だった姉も出て来た
姉はゆっくりと歩いている私の隣を同じ歩幅で歩きだす
イベントはこれでおしまいだから、このまま帰るために
「あー、生ポッキーさん超かっこよかった！」
でしょ！？
興奮冷めやらぬ、なんて感じで息を荒げている
そんな姉に私も笑顔で頷いてみせた
だってあながち嘘でもない…大雅はかっこいい、と思う
そんな惚気のような考えに鼻で笑ってしまった
そして姉がタクシーを呼んでくれて私達は家へ帰る
「はぁ…夢から現実に戻ってきたような気分」
ただいまーときちんと挨拶をしながら家へ入った姉の一言目だった
その気持ちはわかる
だけどその種類は違って
姉の溜息は満足感から浸るような吐息
私は…
「でも、みやゆうさんも実物かっこよかったなぁ」
「…みやゆうさん？」
「え、」
私をソファーに支えながら座らせてくれて
そのままうっとりとしたように呟かれたその名に聞き覚えがなくて聞き返せば姉の目は点になった
ぽかん、とした表情で「ずっと隣にいたでしょ？」と言われて記憶を辿る
私は案外パニックになっていて
周りなんて見えない
…大雅の事しかまるで見えていなかったんだ
だからゆっくり思い出す
そう、そういえばいた
彼の隣にもう一人
握手の時も、全てをスルーしてしまった
だけど、思い出せばその顔もしっかり出てくる
「…名前、忘れてた」
えへ、なんて誤魔化すように言えば驚いていた
「実写見てないんだ」って
聞けばみやゆうさんはポッキーさんの相方さんらしい
彼個人も実況をしていて繋がった人なんだ、と
「ポッキーさん好きなら絶対みやゆうさんも好きになるよ」
なんてったって夫婦だからね
そう少しおどけて言ったその言葉に私は過剰に反応してしまった
それは如実に出てしまったんだろう
固まる私に、おどけていた姉も笑顔のまま固まる
「え、す、好きじゃない？」
「っ、」
私の反応に不安そうに眉を下げた姉
それは、
「…好き」
私の心を抉った
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ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます！ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(＾＾) (2017年6月6日 0時) (
レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです！頑張ってください！応援してます！ (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました！こういうコメントのおかげで書き続けられます！本当にありがとうございます(＾＾) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新！！続きが楽しみです！ (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます！わざわざ調べていただいて。無事見れました！本当にありがとうございました！！！！ (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももた | 作成日時：2017年4月8日 1時
