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それから暫く。
本当に割愛するくらいに、平穏で幸せな日常を送っていた

姉はあの後、興奮していた要因の話…そうポッキーさんと会えるイベントに当選したと教えてくれた
よくわからないままの私は、よくわからないままに連れて行ってもらう流れに
だけど足の事を思うと私がいない方が姉は行きやすいんじゃないかと思ってしまう
そんな考えは悟り済みとでも言わんばかりに姉は元々あった松葉杖に加えて、ネットで車椅子を購入していた
さぁ、好きな方を選びなさい!なんて有無を言わさないそんな様子に笑いながらお礼を言う
よくわからなくても、遊びに連れて行ってくれるんならそれはとても嬉しいから
有名人に会いに行く、なんて初めてでちょっとだけ緊張するな

既に車椅子や松葉杖での参加の許可は電話でとってくれていて
それならあとは当日を待つのみだ
そう思い、私は一旦その事を記憶の底に閉じた


だって正直、今の私の頭は大雅の事でいっぱいで
まだ時間を見つけてはお店を手伝ってくれている
もう大丈夫だと何度遠慮しても
その優しさに浸りながら止まらない会話に、期待は募る一方

脈ありだなんてあの時の言葉が頭から離れない

そして大きく変わった事といえば


「Aー、これってここでいいの?」

「あ、うん!ありがとう」


縮まった距離に、それを表すかのような呼び捨て
それは人によっては全然大したことではないのかもしれない
だけど私にとってはこれ以上ないくらい大きな大きな変化

好きな人に名前で呼んでもらえる
それがこんなに胸を満たしてくれるなんて、知らなかったから


大雅は手伝ってくれているうちに、物の配置や基本的な事は覚えてしまったようで
今日もサクサクと動いて一通りの事を終わらせてくれた

そして飲み物を持ちながら私の近くまで来て


「それは?」


私の手にある花を見て訪ねてくる

…それは、何気ない質問だったんだろう
だけど私は奇跡的なタイミングだと驚いてしまう

他にもお花は沢山あるし
私は毎日いろんな花を触っている


だから


「…は、ハナミズキ」


今このタイミングで、それも初めて聞いてきたそれがあの日彼に話した花
それを覚えてるかどうかなんて私にはわからないけど
私の中ではとても印象的で重要なものだったから

背後から覗き込むように聞いてきた大雅の顔が見られなくて
悟られない様に、だけど泳いでしまう視線

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ももた(プロフ) - ぴょんさん» ありがとうございます!ちょっとバタバタしてしまって停滞気味ですが、もう結末までストーリーは考え終えていますので、頑張って書いていきますね(^^) (2017年6月6日 0時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん - 続きがとても楽しみです!頑張ってください!応援してます! (2017年6月4日 2時) (レス) id: ff860ae17d (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - べにべにさん» 遅くなりました!こういうコメントのおかげで書き続けられます!本当にありがとうございます(^^) (2017年5月23日 22時) (レス) id: f1aa9eefcc (このIDを非表示/違反報告)
べにべに - 待ってます更新!!続きが楽しみです! (2017年5月21日 13時) (レス) id: 2e57339124 (このIDを非表示/違反報告)
マホlove - ありがとうございます!わざわざ調べていただいて。無事見れました!本当にありがとうございました!!!! (2017年5月19日 23時) (レス) id: 22d20cf1e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももた | 作成日時:2017年4月8日 1時

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