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データ37 ページ39

その日、Aは中也に断って探偵社に向かった。


4年間眠っていたので、彼女の身体に異変がないか与謝野に調べてもらうためだ。


昨日訪れた、レンガ作りの建物の4階・・・


昨日壊れていたはずの、武装探偵社の看板のついたドアを開ける。


『お邪魔します』


太「やぁAちゃん。約束通り来てくれて良かった。奥の部屋で与謝野さんがまってるよ」


扉の奥には太宰がいて、そのまま案内されて治療室へ入る。

かすかに消毒の匂いのする室内では、白衣の与謝野がAを待っていた。


与「待っていたよ。さぁ、そこの椅子に掛けな」


『お邪魔します』

脈拍を計ったり、握力を計ったり、何だか色々なことをした。





与「いたって健康か。不思議なもんだねぇ」

『電脳空間では、身体の時間は止まっているようなものですから』


検査結果を聞きながら、彼女は事務所でお茶をもらった。


Aの隣には、ちゃっかり太宰が座っている。


『そういえば太宰さん、いつから・・・メルロの正体が私だと分かったんですか?』

昨日から考えていた疑問をぶつける。
なぜ状態はバレてしまったのか。


太「Aちゃん・・・って確証はないけど、おかしいと思っていたよ。初対面からね」


太宰の言葉に驚く。
メルロが人間であると疑われたことなんて、マフィアでは一度もないからだ。


『初対面から・・・!?どうしてですか?』


太「私もコンピュータに詳しい訳ではないけど・・・人工知能は感情を持たない。
システムにしても、君は多感すぎる。

だから・・・初めて見た時から、何かおかしいと思ったんだ」


『それで・・・ですか』


太「髪色や髪型、服装は変えられるようだし、話し方も人工知能であるかのように上手く演じていたね。


でも・・・声や顔は変えられない。


初めて君を見た時に、どこか懐かしさを感じてね、思い出したんだ」


『まだまだですね、私』



太宰に感服しながら、紅茶を一口飲む。



太「さて、次は私から質問だよ。なんで君は姿を偽ってまであんなことしていたんだい?おそらく森さんが絡んでいるだろう?」



『・・・・・・さて、どうしてでしょうね』




太「まぁだいたい想像つくけど・・・原因は、私。そうだね」

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出雲(プロフ) - 凛眞さん» コメントありがとうございます!呼び方間違えたかもしれません!次回作から改善しますね!情報ありがとうございます! (2017年10月9日 20時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
凛眞(プロフ) - とても面白いですね!ところで思ったのですが、森さんは中也を「中原くん」ではなく「中也くん」と呼んでいた気がします!これからも更新頑張ってください! (2017年10月9日 19時) (レス) id: d97172139d (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 紫猫日和さん» 夢主・・・つい驚いてボロがでましたね笑 これからもバタバタしながら頑張る彼女の応援、お願いします!更新頑張りますね!ありがとうございます! (2017年9月28日 17時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
紫猫日和(プロフ) - 32話思いっきりメロルで喋ってる夢主可愛いです!更新頑張ってください! (2017年9月28日 16時) (レス) id: 1d1f3bbcfd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - Pluieさん» わぁぁ!感動だなんて・・・コメント嬉しすぎます!これからも更新頑張りますね!! (2017年9月15日 7時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:出雲 | 作成日時:2017年8月25日 21時

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