側近は電脳少女

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先ほどよりもヒートアップした扉越しの言い合いが終わり、Aはゆっくり扉に近づき、引き戸の前に放られた服を拾う。



心臓がドキドキして、落ち着かない。




死んでいたわけではないが、もちろん電脳空間でメルロとなり、手を当てても心臓はドキドキするわけがない。


脈拍だってメルロでは測れない。



それがこんなにも早く、強く感じるとは。



『私・・・変、だ』



恥ずかしさからか、早く着替えようと、Aは服を広げる。



予想通り、シャツと短パン。




中也とAに大きな身長差はない。
あっても3、4センチほどだ。



しかし中也は小柄だが男性。

しかも鍛えているから体つきは逞しいのだろうか、身長はそこまで変わらないのに服は彼女には大きい。




シャツは男ものなのに、ズボンは女物だ。




・・・待って。確か主に恋仲の女性はいなかったはず。
なのに女物？え、趣味・・・じゃ、ないよね？
そんな趣味も調べ物もなかったけど・・・

え、これどうしたの、なんであるの？？？




先ほどのヒートアップが冷め切っていないのか・・・



彼女の頭は再び混乱していた。




実際に着てみると見事アンバランスな光景だった。



シャツは少しダボッとしているし、女物の短パンはサイズがちょうど良く、普通にするとズボンが隠れる。



所謂、彼シャツ状態というものになっていた。


メルロの時と肌の露出面積は変わらないのだが。



服と先ほどの出来事の恥ずかしさを引きずりながら脱衣所をでると、食事の用意がすすんでいる。



『お風呂、お先にいただきました』


「あ・・・あぁ。」


先ほどのことを気にしているのか、ぎこちなく振り返り彼女を見た中也は、再び顔を真っ赤にした。

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