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側近となり4年も経つとマフィア内でも、メルロの認知度は初めと比べてだいぶ高まった。
初めの頃は、中也が携帯電話に向かって怒鳴るなり話しかけるなりしているだけで、周りの構成員も「中原幹部が壊れた」と焦ったものだ。
当時の中也が荒れていて、事情を知るものが少なすぎたことも拍車をかけていたのだが。
今となっては中也がインカムをつけていることも日常的であり、情報管理部の構成員がメルロの力を借りる為に中也の元を訪れることも多くなった。
人工知能、と聞いたときは皆戸惑ったものの・・・
今では周知のモノである。
『休み明けの仕事は気合が入りますね主!今日も頑張りましょう!』
画面の向こうで、メルロはやる気満々だ。
中「デスクワークはやる気でねぇな。なんつーか、こう・・・張り合いがねぇ」
『主は本当に好戦的ですね・・・』
このようにマフィアの廊下で中也が携帯画面と話をしていても、それはいつもの光景なのだ。
尾「随分と賑やかじゃな中也」
声がして振り返ると、そこには五大幹部の尾崎紅葉の姿があった。
中「姐さん、お久しぶりですね」
『姐さまですか!主!私、姐さまとお話ししたいです!』
何故かメルロは紅葉を非常に慕っている。
故に、中也の元に紅葉が現れればいつもこのテンションで騒ぐのだ。
慣れたもので、中也も画面を紅葉に向ける。
尾「お主も久しいのぅメルロ。息災であったか?」
『はい!人工知能に体調の良し悪しはございません、主の為いつも全力でサポートさせていただいてます!』
満面の笑みで紅葉に答えるメルロ。
自分を慕い、また自分の弟分である中也にひたむきなメルロを、紅葉もまた溺愛していた。
尾「主のような側近がおって中也は安泰じゃな」
中「まぁ、それなりには」
尾「これからも中也を頼むぞ、メルロ」
『もちろんです』
仲の良い中也とメルロが去ったあと、紅葉は1人と一機の後ろ姿を見つめながら呟いた。
尾「メルロが人間であったなら・・・。鴎外殿は・・・一体、2人をどうするつもりなのじゃ」
彼女はメルロのことを1人として扱っていた。
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出雲(プロフ) - 凛眞さん» コメントありがとうございます!呼び方間違えたかもしれません!次回作から改善しますね!情報ありがとうございます! (2017年10月9日 20時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
凛眞(プロフ) - とても面白いですね!ところで思ったのですが、森さんは中也を「中原くん」ではなく「中也くん」と呼んでいた気がします!これからも更新頑張ってください! (2017年10月9日 19時) (レス) id: d97172139d (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 紫猫日和さん» 夢主・・・つい驚いてボロがでましたね笑 これからもバタバタしながら頑張る彼女の応援、お願いします!更新頑張りますね!ありがとうございます! (2017年9月28日 17時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
紫猫日和(プロフ) - 32話思いっきりメロルで喋ってる夢主可愛いです!更新頑張ってください! (2017年9月28日 16時) (レス) id: 1d1f3bbcfd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - Pluieさん» わぁぁ!感動だなんて・・・コメント嬉しすぎます!これからも更新頑張りますね!! (2017年9月15日 7時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:出雲 | 作成日時:2017年8月25日 21時