43こ目 ページ43
高台から飛び降りた私は、そのまま人の少ないところを歩き夜まで彷徨った。
夜になり訪れたのは、駅。
院長先生の事件現場を見た後、ひとり探偵社に戻り太宰さんと話をした時だ。
いつもの嫌な予感・・・動物的第六感が働いた。
本能的に感じたと言っても良いかもしれない。
私は敦に全てバレてしまうのではないかと感じていた。
そして、バレる前に姿を消そうと思って駅に向かい夜行列車の切符を買ったのだ。
今までは、君をそばで支えることが償いだと思っていた。
でも今では、君の前から消えることが償いになるだろう。
・・・もうすぐ時間だ。
夜行列車の出発は21時丁度。
今はその10分前だ。
改札の近くでカバンに入れておいた切符を探す。
『・・・・・・あれ？』
確かに入れておいた切符がない。
嘘。早く探さないと、列車がっ・・・
慌てる私に、背後から近寄る影があった。
太「こんばんは、お嬢さん。
お探し物はーーーーー
コレかな？」
・・・・・・！？
驚いて振り向くと、そこには得意げに笑い、切符を持つ・・・太宰さんがいる。
『だ・・・ざい、さん・・・！？』
どうしてここに・・・！？
太「どうしてここに・・・って顔をしてるね。約束通り、君を止めに来た」
持っているのは、私が買った切符だ。
『・・・ッ返してくださいッ！』
手を伸ばしても太宰さんは長身。届かない。
太「このまま何も言わずに敦くんの前からいなくなるのかい？」
『全部、全部話しました。これ以上言うことなんて何もない！何年も騙して、嘘をついて来たのッ！』
太「いや、君も真実を知らない！本当のことを教えよう」
『・・・知っていますよ全部。もう知らないことなんて・・・』
太「亡くなった君のお父さんの手紙と、記憶を思い出した敦くんが教えてくれたよ。
君と敦くんは・・・いとこ同士だった。
そして、敦くんの異能が覚醒したのは、君が襲った時じゃない。
本当は、敦くんのお母さんが亡くなった時だったよ」
『いとこ同士・・・？え、待って・・・異能は？』
太「そう。君たちの母親が姉妹だったんだ。だから君と敦くんは他人にしては容姿が似通っている。敦くんは記憶にも残らない頃、母親が亡くなったんだ。その時が本当の異能覚醒したと手紙にあったよ」
『でも私が施設に入ってから、敦が虎になったことなんて一度もないです！』
太「それは・・・おそらく君が原因だ」
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出雲(プロフ) - 千さん» コメントありがとうございます！太宰さんは何でも分かってそうだって印象です！次回も頑張ります！ (2017年8月26日 16時) (
レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - お疲れ様でした！太宰さんが些細な会話に違和感を持っているところが流石だなと思いました！ありがとうございました。次作も頑張って下さい！ (2017年8月26日 12時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
出雲(プロフ) - 梅雨風夏さん» コメントありがとうございます！今回は個人的に伏線を多く使ったつもりでした！なので伏線について評価してもらえるのはすごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: ac01b1ef17 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨風夏(プロフ) - 完結、おめでとうございます！伏線の貼り方が迚も上手で驚かされました！これからも頑張ってください！ (2017年8月25日 21時) (レス) id: 306f9f397d (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 分かります！私弟いるのですがもう生意気で生意気で…。でも敬語外した敦君みたいな弟ならうぇるかむ!です！ (2017年8月25日 11時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：出雲 | 作成日時：2017年6月28日 9時
