最強シード=裏切者!? (ページ8)

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第55話ページ8

それぞれが準備を整えポジションに着くと、会場に試合開始のアナウンスが響く。

角間「ホーリーロード準決勝、雷門中対新雲学園。今キックオフです！！」

キックオフは雷門から。
果敢に攻めあがっていく雷門に新雲学園が立ちふさがる。

準決勝名だけあっていつも以上にいい試合になりそうだな。
そんなことを考えていると、いきなり試合が動いた。
正確に言えば、フィールドが動いたのだ。
ドリブルをしていた倉間ごとボールがピッチの外へと流されていった。

角間「これがデザートスタジアムの特徴である、"流砂"です！！」

「「！？」」

この仕掛けに両チーム驚きを隠せない様だった。
しかしこの状況を楽しんでる人がただ一人いた。

…そう、私だ。

いつ自分のプレーが邪魔されるか分からないこの仕掛けを雷門と新雲がそれぞれどう攻略するのか、それが楽しみで仕方がないのだ。
フィールド上にいる剣城が『厄介な仕掛けをつけやがって…』みたいな目でこっちを見ているが、まあ気にしない。

そんなことを思っている間に太陽にボールがまわっていた。
10年に一度の天才ストライカーの話は聞いていたがまだ実際に太陽の試合を見たことは1度もない。
だから今日の試合、太陽がどんなプレーをみせてくれるのかも気になっていた。

A「さて、10年に一度の天才ストライカーさんは何をみせてくれるのかな…？」

太陽と天馬がボールを取り合っているところに、再び流砂が発生した。
またもやピッチの外に流されてしまうのかと思いきや、太陽は誰もいないところにボールをあげる。
そう、砂の流れを利用してボールをキープしたのだ。
そしてそのままゴールまで雷門のDFたちを抜いていき、ゴール前までたどりつく。

太陽「太陽神アポロ！！はあぁッ！！」

三国「フェンスオブガイア！！」

得点を入れさせまいと必死に守るが化身シュートを止められるはずもなく、シュートはゴールへと突き刺さった。

角間「新雲学園先取点！！なんと雨宮太陽ひとりで得点！！さすが10年に一度の天才と呼ばれている逸材だぁッ！！」

A「さすがだなぁ、太陽。もう流砂も攻略されちゃったし、点も入れられちゃった。でも…」

化身を出せるのはあと1回が限度かな。

太陽のプレーはセンスにあふれた素晴らしいものだった。
いや、きっとセンスだけではなく、許される範囲での練習の成果もあるのだろう。
しかし、彼の体はそれについていくのに精一杯のようだった。