第50話 ページ3
天馬「へぇー、幼なじみがサッカーやってたんだー!!」
葵「その幼なじみにサッカー教えられたなんて、なんかロマンチック！」
A「そう……？」
幼なじみって誰だよ。
自分でそうツッコミをいれてしまうほど苦し紛れな言い訳だった。
しかし、天馬たちの馬鹿正直さに救われ、なんとか信じてもらえたようだ。
これで問題解決だろう。そう安心した私に思いもよらない言葉が投げかけられた。
狩屋「いっそサッカー部に入部すれば？」
A「はっ…？」
その言葉を待っていたかのようにチャイムが鳴った。
放課後、外グラウンドでは今日もサッカー部の練習が行われていた。
準決勝が控えていることもあり、それぞれの選手がそれぞれ気合を入れて練習に取り組んでいる。
神童「天馬！そのままゴール前に持ち込むんだ！！」
天馬「はいっ！！」
そして私はというと、なぜかマネージャーと共にベンチに座っていた。
どうしてこうなった…。
体育の授業の後、サッカー部に入部を迫られながらも色々と手を尽くした結果、『仮入部』という形に収まりここへ連れて来られた。
『マネージャーを希望するにしろ、選手を希望するにしろ、最初は見学していてくれ』
とキャプテンである神童拓人に言われたので、仕方なくサッカー部の練習状況を見ているわけだ。
しかし、
A「他人がサッカーしてるの見るの、好きじゃないんだよな…」
他人がサッカーしているところを見ると自分までやりたくなってしまうという、円堂さん譲りの何かがあるらしく、じっとしていられなくなる。
それが悟られないようにベンチに座っていると、声をかけられた。
葵「Aちゃーん、ちょっとこっちに来てくれるー？」
そう呼ばれ、声のする方へ向かうと、見覚えのある人が2人立っていた。
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作者名：master_2 | 作成日時：2023年3月27日 1時
