第46話 ページ48
剣城side
A「いらっしゃい」
剣城「やる事が大掛かり過ぎだ…」
あの後連れてこられたのはAの家だった。
家、といっても俺にとっては城のようにも見えるのだが。
コイツがご令嬢だってことをすっかり忘れていた。
A「とりあえず上がってよ」
俺はAの家の玄関に足を踏み入れた。
Aside
客間に剣城を通した後、豪炎寺さんの意志や協力者、私が今何をしているかなどの現状を一通り説明した。
A「…と、私から話さなきゃいけないことはこのくらいかな。剣城から聞いておきたいことはある？と言っても、剣城は雷門の選手だから表立って協力してもらう場面はないと思うけど」
ホーリーロードを勝ち続けるのが一番の協力かな、と冗談めかした一言も添えた。
剣城「じゃあ、強力な必殺技を教えてほしい」
A「は…？」
剣城「決勝戦では、きっと今までの俺の技では通用しない。だから強力な必殺技が必要なんだ。最強シードと謳われたお前なら、今の俺に必要な必殺技を提案してくれるんじゃないか？」
剣城はちょっとふざけたように、ニヤリと口元を歪ませていた。
A「冗談を冗談で返せるなんて、雷門に来てから変わったよね」
剣城「変わった？俺が…？」
きょとんとした顔でこちらを見つめ返された。
自覚がないのも面白いなとケラケラしていると、照れているのかはやく教えろ、とせがんできた。
A「ちょっと待ってね……そうだなあ」
少し考える素振りを見せると口を開いた。
A「ファイアトルネードDD、これが一番雷門の戦略に向いてると思う」
豪炎寺さんが、プロリーグ時代に一度だけ出した幻の技。
これなら強力だし、雷門の戦略を崩さずに得点が出来る。
ただし1つだけ条件があるのだけど……。
剣城「ちょっと待て。確かにその技は強力だが、2人技じゃないか！今から2人技を仕上げるなんて、無理がある…！！」
そう、ファイアトルネードDDは2人技。
今から技を覚え、しかも2人で息を合わせ威力を高めるなんて無理があるかもしれない。
だが、1人だけできる奴がいる。
A「天馬とやればいい。ここまで革命を進めてきた天馬の力は伊達じゃないはずだよ。といっても、まずは剣城自身がパワーアップしないといけない。…まずはファイアトルネードをマスターすること、いいね？」
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作者名：master_2 | 作成日時：2023年3月19日 11時
