GAME1【Endless2】 ページ3
五年前からサービスを開始している日本最大級のチャットアプリ【ネームレス】では三人以上の人が同意する事で新たなグループを作ることができる。
それは、多くの場合友達や家族の連絡のために用いられることが多い。
従って、新しいグループを作るメンバーは、大抵そのグループができる前からの知り合いだ。
言い方を変えれば、現実世界の延長線である場合が多い。
しかし、このグループ【暇人の茶会】は些か異なる。
サービス開始から一年が経った時、何の偶然か全く接点の無い三人の人間がで知り合った。
ひとりは年齢不詳の賑やかな超絶スーパー自由人【けいね】
ひとりは落ち着いているが少し天然の自称大学生【think】
そして、もうひとりが少し気弱で三人の中では唯一のツッコミ役。当時中学二年生だった【エノク】
三人は自分達のように電脳世界の中“だけ”の知り合いを作るためのグループを作った。
そのグループは【暇人の茶会】当時はまだ三人だけの零細グループだった。
それから四年が過ぎ。
【think】が電脳世界から去り、【けいね】が行方不明になった後も、【エノク】は律儀に【暇人の茶会】のリーダーを務めている。
「じゃあ次は私だね!」
【エノク】さんが自己紹介を終えた後、そのとなりにいた同じく大学生位の女性が立ち上がった。
その人が着ているのは靴も、ズボンも、フード付きのパーカーも例外なく全て真っ白だった。肌も色白なので、唯一黒い髪の毛がよく目立っている。顔は眩しいくらいの笑顔だ。
「どうもどうもー!私の名前はーー」
「46」
突然僕の隣で声がした。
「おいそこーっ!なぜバラしたー!?」
「うざい」
声のした方を見ると、先程から話している女性(どうやら46というらしい)と白黒反転したような真っ黒な青年がいた。表情は怖いぐらいの仏頂面だ。
「もー!面白くないなぁ……。改めまして【46】です!あそこに座っている空気の読めないのは、弟の【96】です!」
直後、【46】さんのポケット、正確にはその中のスマホからアラーム音が鳴りだした。
「おや?」
そしてスマホの画面を10秒程凝視した後、ゲラゲラ笑いながら画面を僕達に見せた。
そこには
[第二指名【46】さん]
部屋が一瞬で緊迫した、温度が2・3度下がったような気がする。
そんな雰囲気を余所に、彼女はなんの躊躇もなく文字を打ち込んだ。
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作者名:〆蕎麦〆 | 作者ホームページ:http://happyhappy
作成日時:2016年9月24日 16時