久遠のカラフルイヤーズ16 (ページ10)

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『よっし、乱ちゃん今からあの人シバきに行こうか』

無駄にいい笑顔なA

「分かった、薬研じゃないけど柄まで通せばいいんだね主さん!」

こちらも無駄にいい笑顔だ

「何だろ、言ってることはよく分からないけど、止めた方がいいことだけは分かった」

他のツッコミの男士がいないので、この場でその役割は萩原だ…松田は面倒くさがって突っ込まずにスルーするだろう

それか萩原の傷を抉って終わる

「張り替えるときは声かけてほしいって五虎退が言ってたよ」

自分もちゃんとやるからって

「よければ俺も蔵に行っていい?」

蔵なんてリアルに見る機会なんてほぼないし、どんな感じか見てみたい

『大丈夫ですよ』

物置にしてて頻繁に使わないものが置いてあるだけなんで

ということで、四人で蔵の方を目指す

「おぉー!中々にデカいな!」

只今蔵の前で感動中の萩原…その横で松田も小声で「デカ…」と言っているのがバッチリ聞こえた
それに内心「え、二人可愛い」と真顔になってしまった

「この前の扉は開いてんだね」

『ここは開けててその奥のこっちより軽い扉は閉めてるんです』

あの時椿さんにこの最前の一番重いところを閉められてたら出られなかったよね私たち

「この扉を閉める力は無いと思うけどね」

『紙、探そうか』

扉を開けて中に入り、入り口付近にある電気のスイッチで電気を点けると中を探し始める

「太鼓!?しかもデカい太鼓…」

「こっちには琴があるな」

演奏会とかもするの?

『どっちかっていうと引き換え用ですかね』

あ、障子紙あった…どれにしようか

「へぇ、種類が多いな」

松田は楽器より、障子紙の種類の多さに興味が持って行かれている

「引き換え用?」

「其々指定された個数を渡したら僕たち個々の近侍曲と交換してもらえるんだよ」

あ!この虎達が歩いて足跡つけていったみたいなのがいい

下の方に虎の足跡らしきものが散っており、上に続いている…その先には5匹の小虎たちがじゃれており一匹こちらを振り返っているような影絵風の絵が描かれている障子紙を発見した

『可愛い!それにおしゃれ…これ、張り替えるのに慎重にしないとズレたり切れたりしたら嫌だね』

「陣平ちゃん手伝ってあげたら?」

こういう設計したりするのダミーの爆弾作ったり解体したりするので慣れてるでしょ

「手先器用だし」

「お前も器用だろ」

お前も手伝えと睨まれたので、結局萩原も手伝うことになった

『じゃあこれ持って行こうか』