786色目 ページ37
「ここにいる大半が主に救われたから…としか言えんな」
「大半…全員ではないんですよね…でも、僕が見た限りではほぼ全員そうだと感じますが」
「俺たちの想いに寄っていった者もいるからな…三日月がいい例だ」
アイツは主が顕現した刀だから俺達より後に来たんだが、主に対しての思想や言動は俺に近いぜ
「(見た目通りラスボスってことか…)」
「鶴丸、何か長谷部が探してたけど」
「おぉ、こりゃいかん」
「やっぱさっきの主の悲鳴、鶴丸が驚かせたの」
「長谷部に会ったら俺は見なかったって言っておいてくれ」
鶴丸を見つけた清光に、長谷部が探していたと伝えられるとさっさと逃げていく鶴丸
「この本丸で一番怒らせたら厄介なのは三日月と鶴丸だよ」
練度は俺より低いけど、平安刀だからおっかないよ
「初めて会った時は鶴丸さんはあんな明朗な感じじゃなく冷え切っていたので、それは…まぁ、なんとなく」
三日月さんはあまり変わらないですけど
「ここの事情は話すと長いし、俺じゃない他の奴の傷が抉れちゃうかもしれないから俺からは言わないけど」
「それ、鶴丸さんにも言われました」
「だから、何かがあってそれを主が助けて俺たちがめちゃくちゃ恩を感じて絶対一生放したくない、離れたくないって思ってるだけだってのだけ知ってて」
あ、全員がね
知らない方が良かった様な、具体的なことは聞いていないのにとてつもなく重い話を聞いた気がした四人
「後、アンタたちは主と年も近い“人間の成人男性”だから、皆主がアンタらの誰かに取られるんじゃないかって警戒してるんだよね」
アンタらが主に興味がなくても、主がアンタらの誰かに魅かれるかもしれないでしょ
「あんなにイケメンに囲まれてるのに？」
「主は顔で判断しないから」
俺のことは可愛いって言ってくれるけど、すべて含めて可愛いって言ってくれてるしね
「優癒子さんが顔だけで誰かに魅かれるということがないことは確かに分かります」
しかもしっかり一人一人見てくれていますよね…これは確かに勘違いした変な輩に付き纏われてしまうのも納得だなと
「とっても優しいし」
「笑顔も可愛いしね」
「ハギ…」
「えーっ!?これもダメ!?」
優癒子ちゃんとは普通にお近づきにはなりたいけど、可愛いって褒めただけだよ!?
「めちゃくちゃ本音が出てるぞ」
「絶対主に近づけさせない」
「え、それはないぜ;;」
「ざまぁ」
「陣平ちゃん何気にヒドくない?;;」
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作者名：べっこうあめ | 作成日時：2023年11月17日 13時
