778色目 ページ29
『お邪魔します』
「いらっしゃい主…と、こんのすけ」
この時間帯に来るの珍しいね
『実休光忠さん、君?に渡す新しい手拭いはどんなのがいいか長船派の皆の意見を聞こうと思って』
「何故さんと君どっちも言って疑問形なんだ」
「多分見たこと無いからどっちで呼んでいいか分からないからじゃないかな」
「成程…?」
長義の疑問に光忠が答えてくれたが、やはりよく分からないという顔をしている長義
「彼のことは織田の刀たちの方が知ってると思うよ」
「織田にあった刀だからね」
『長船の意見は』
「僕たちの内番服と同じ様な落ち着いた黒とかでも良さそうだけれどね」
『成程!ありがとう…ちょっと長谷部君達にも聞いてくるね!』
ぺこりとお辞儀をした後すぐ部屋から出て行ったA…しかも、こんのすけを抱えたまま
「もう少しいてくれても全然良かったんだけどね」
「まだ主とおはなししたかったのだぞ」
「あしたゆっくりはなせばいいさ」
「何故こんのすけを抱えていたんだ…しかも一度も下ろさずに行ってしまった」
「うーん、多分長船の皆に意見を聞いてそのまま購入してこんのすけに決済してもらおうと思って連れてきたけど、織田の刀のことも出てきたからそのまま連れて行ったんじゃないかな」
抱えてたのは単にこんのすけのモフモフと可愛さを堪能したかったからだと思う
「大方日向君が言ってくれてる通りだと思うよ」
「そうか(やはり自分たちの主…審神者のこと良く理解しているな)」
そして、翌朝のこと
『新しい手拭いこれにしたの』
長船の面々にジャーンと見せてきたのは、白地に紺色や深縹、藍色などの色で染められた花々、差し色で代社赭が慎ましやかに鮮やかさも添えている
「シンプルだけど綺麗だね」
「流石主、センスがあるね」
『長谷部君達の意見も聞いたら、お花とか好きだって聞いたからコレだ!って思って』
手放しに褒めてくれる小竜と光忠に照れつつも、自分だけの功績ではないと伝える
『こんちゃん、この手ぬぐいを実休さん、君?に渡したいし助けてくれた部隊の男士さんたちと審神者さんにお礼を言いたいんだけど』
こんちゃん経由の方がいいとかある?
「あちらの本丸にお伺いしても大丈夫か聞いて参ります」
「歩美もちゃんとありがとうって言いたい」
「僕もです」
「俺も」
『一緒に行って大丈夫か戻ってきたらこんちゃんに聞こうか』
「お待たせいたしました主さま」
『お、早かったねこんちゃん』
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作者名：べっこうあめ | 作成日時：2023年11月17日 13時
