777色目 ページ28
山姥切たちが厚樫山に出陣している間に、山の捜索部隊が帰ってきていた
「お帰り皆ッ無事でよかったよ」
粟田口の部屋で薬研に診てもらっていると、日向と物吉が来た
きっと怪我をしたことを誰かから聞いたのだろう
「お、この塗ってある薬、ちゃんと作ってあるやつだな」
手拭いだけど手当も綺麗だしよ
「えっと、実休さんって人が手当をしてくれました」
「あ!石田さんもいたよ、正宗さん」
「石田…石田正宗?石田の兄上が?」
「ん?どういうことだ?」
光彦が、向こうでの出来事を話してくれた
「他の本丸の部隊が先に見つけて助けてくれたのか」
「間一髪だったんだね」
「ほら、もういいぞ…あまり酷い怪我じゃねぇから頻繁に触ったりしなけりゃすぐ治ると思うぜ」
手拭いを取って絆創膏を貼り直してくれた
「ありがとう、薬研お兄さん」
「悪ガキ共ー無事に戻って来れてよかったな」
「優癒子と毛利がヤバかったぞ(色んな意味で)」
そこに萩原と松田が様子を見に来た…誰かに粟田口の部屋にいると聞いたのだろう…あの時二人はいなかったので
『皆ー夕ご飯できたからご飯にしよう』
「お、大将いいところに来た…この手当に使われてた手拭いはどうする?」
血と薬が付いちまってるから洗って返すか?それとも新しいの渡すか?
『勝手に捨てちゃうのもアレだし…洗ってそれも返して新しいのも渡そうか』
「歩美が洗う!」
『じゃあお風呂の時にちゃちゃっと一緒に洗おうか』
夕飯を食べた…おやつの大福が食べられなかったので食後のデザートとして出てきた
その後お風呂に入って手拭いも洗っておいた…乾燥機にかけたのでこの後取り出してアイロンをかける予定だ
『歩美ちゃん、哀ちゃんおやすみ…ゆっくり休んでね』
「おやすみなさい」
「おやすみ」
『アイロンはかけ終わった…新しい手拭いって同じの渡した方がいいかな…それとも別のにした方がいいかな』
「主さま、昼間のことについての報告ですが」
『あぁ、ありがとうこんちゃん』
「向こうの部隊の話しも聞いて、と…いう報告結果になります」
『成程…手拭いを巻いてくれたのは実休光忠…さん、君?…光忠ってことは長船派?』
「そうですね」
『ちょっとだけ付いてきてくれない?』
「構いませんがどこに?」
立ち上がると徐にこんのすけを抱き上げどこかの部屋へと向かうA
『こんばんはー』
「主!入るのだぞ!」
大きめの部屋の前で止まるとそう声をかける…直ぐに謙信が出てきて中に入れてくれた
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作者名：べっこうあめ | 作成日時：2023年11月17日 13時
