773色目 ページ24
「主、準備ができた」
山姥切が声をかけに来てくれたので装置の所まで見送りに行く
『皆、ちゃんと刀装は着けた?』
「持てる分持ちましたし、遠戦着けれる奴らは全員遠戦の刀装付けました!」
ここの本丸には特上しか置いていないので全員特上を着けている
『お守りは持った?』
「あぁ、持っている」
『五つだよ?』
「一つでいい」
『五つ…』
不安そうにしゅんとしたA…
そんな山姥切とAとのやり取りを見兼ねた堀川が、きっと一つしか持ってきていないであろう山姥切に残り四つを持たせる
「兄弟、残り四つ持って行って」
無いと思ってるけど、兄弟が折れたら主さん、悲しむ以上にショックを受けちゃうよ
「こんなに写しには勿体ない…」
といいつつも、流石にしゅんとされたままではアレなので堀川から受け取り残り四つを仕舞った
「行ってくる」
「行ってきまーす」
「子供たちを保護してくるよ」
「任せておけよな、大将」
「僕と肘丸がちゃんと敵を斬ってくるよ」
「目的が少し違うような気がするぞ兄者っ…そして俺は膝丸だっ」
各々声をかけて光に包まれ見えなくなった
「あの二振りを行かせて大丈夫だったの?」
『二人ともちゃんと強いから大丈夫だよ…きっと』
清光の問いに少し間ができたのは仕方がない
『山の捜索の部隊の帰りを待とうか』
見送りに来てくれた男士達と大広間の方へと戻った
「主さんに送り出されたとはいえ、ここに来るのはあまりいい気分じゃないね」
「あの地獄の三日月捜索の日々を思い出しちまうな…」
「あの時は刀装もお守りも無かったがな」
阿津賀志山・厚樫山に降り立った面々はもう何度も来て見慣れてしまった風景に顔を顰める
Aに送り出されたことや、Aのお願いが嫌だったわけでは全くなく
「子供たちの気配は…ここら辺ではしない様だけど」
「俺たちが少し周りを索敵しますね」
子供たちは敵じゃないですけど
「これで時間遡行軍が引っ掛かったら嫌だな」
「それ、ふらぐというやつじゃないのか」
厚がそう冗談めかして言うと、膝丸がすかさず突っ込んだ
「わーぁ」
「どうした…」
「いましたね…時間遡行軍」
「おやおや」
「呑気に言ってる場合か…全員戦闘準備だっ」
索敵をして、見事に敵を見つけた鯰尾…これが通常の出陣なら良くやったと褒めたいところだが
「子供たちを見つけるまで怪我は…できない…ねっ」
出現した打刀1体、脇差2体、短刀3体の遠戦を躱して大太刀を振るう石切丸
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作者名：べっこうあめ | 作成日時：2023年11月17日 13時
