久遠のカラフルイヤーズ15

733色目 ページ34

「!!あぁ…篭手切が持っていたうさぎは主からだったのか」

いや、有難く頂戴するよ

『私の刀剣として来てくれてありがとう、これからもよろしくね』

「ありがとう、主」

『帰ったら豊前君と桑名君も捕まえて構いたお…いや、渡さないと』

「…主さま、本音が漏れています」

『帰ったら白山君と白君にも構い倒すんだからぁっ』

「…それなら、他の粟田口の刀剣も呼びます」

「(あぁ…なんて…眩しいんだ…)」

『松井君!帰ろう!』

空いている片手で松井の手を握るAその顔はニコニコだった
帰って渡すのが楽しみなため嬉しそうなのか…将又松井と手を握っているので嬉しいのか

恐らくどちらもだろう

『豊前君達内番終わったかなぁ…ふぁっ!?//』

不意に繋いでいる手が解かれたかと思うと、繋ぎ直された

「僕は、こちらの方がいいな」

見える高さまで持ち上げられる…良く見えるように
所謂恋人繋ぎと言うものになっていた

『松井君指長い･･･羨ましいぃっ』

そんなAの声が引かれて遠のいていった

本丸に戻ると、手を繋いでいるのを清光に発見され即座に離された

「ここの初期刀は手厳しいね･･･おや、血のように･･･真っ赤･･･だね」

いい色だ

清光の手を取って指先を見つめる松井･･･瞳はどこか恍惚としている

「何だろ･･･褒められた気がしないんだけど･･･」

「お帰り、主」

『ただいま』

「何買ってきたの?･･･あぁ、そのうさぎね」

『豊前君達内番終わってるかな?』

「さっき本丸内に入って手を洗ってるの見たよ」

『あ、じゃあお部屋にいるかな』

「･･･わたくしはこれで失礼します」

『ありがとう白山君、白君』

白山と別れて江の部屋へと向かう･･･清光も一緒に

「今度は俺と繋いでよね」

『ふぐっ･･･可愛いっ･･･いつでも繋ごうっ』

清光と手を繋いでルンルンで部屋へと向かう･･･松井はその光景を後ろでどこか憂いの眼差しをしていた…前を向いていたAはそれには気づいてはいない

『豊前君たち、いますか』

「おぉ、主どうした?」

部屋の中に招き入れてくれた･･･部屋には桑名と篭手切の姿も

『これ、豊前君と桑名君に』

松井君には先に渡したんだけど、私の刀剣として来てくれてありがとう･･･これからよろしくね

「これ、篭手切が持ってるうさぎだね･･･でも、色がそれぞれ違うね」

『男子モチーフのうさぎさんなの』

「ありがとな主」

「ありがとう」

二人もウサギを受け取ってくれた

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