久遠のカラフルイヤーズ15

723色目 ページ24

あの後もAの本丸では、引き続き特別枠であの世界での遡行軍の殉滅、見回りなどは行っている

『そうだ、バタバタしてて行けてなかったけど万屋に行こう』

「万屋、ですか?買い物なら言付かって下されば僕たちが行きますよ?」

今日の近侍の物吉が紙束をトントンと整えながらAに聞き返した…まだ怪我も回復はしていないので、あまり負担はかけたくないのだろう

『ありがとう物吉君…買いに行きたいのは長義君のうさぎのぬいぐるみだから自分で買いに行って直接渡したいなって思って』

「成程!分かりました主さま、護衛してくださる方を誰か探してきます!」

Aの意志を汲み取った物吉は、一緒に付いてきてくれる男士を探しに執務室から出て行った

『皆本当にいい子たちだ…私の意志をちゃんと尊重してくれるし』

だから少し押し切っちゃうところもあってそこは反省しないとかなって思うんだよね

何時もなんか巻き込んでゴメンみんなと心の中で謝っておいた

物吉が誰かを連れてきてくれるので、チャチャッと財布を取り出しいつでもいける準備だけはしておく

「お待たせしました主さま」

「主と万屋なんて、初めてだから楽しみだ」

物吉が連れてきてくれたのは蜂須賀だった…しかも嬉しそう

『お誘いしてくれたら一緒に行くよ!』

今度は護衛じゃなくて一緒に万屋にお買い物に行こうね

この後、出会った男士に万屋へ行くという旨を伝えて、物吉と蜂須賀と万屋への道をのんびり話しながら進む

そうしているとあっという間に万屋に着いた…目的は一つなので迷わずそちらに寄っていく

「主はこのうさぎを買いに来たのか」

『長義君のうさぎを買いに来たの…えっと…』

「これじゃないですか?」

『ホントだ!すごいね物吉君、一発で見つけた!』

ありがとう、助かったよ

毎回実装済み男士全員のぬいぐるみの中から、目的の人物のを探し当てるのは少々面倒くさいのだ
しかも、刀帳順に並んでいるとかでもなく、ランダムに置いてあるので

二人にも買いたいものがあるか聞いたが、特にないと言われたのでそのまま本丸へと帰る

『長義君どこにいるかな』

と、言っていると丁度長義が向こう側の角からこっちに向かってきた

『めちゃくちゃナイスタイミング!』

「おや、俺を探していたのかな」

『探そうとしてたところだったの…はい、これよければどうぞ』

「あぁ、男士イメージのうさぎのぬいぐるみか」

自分で持つのではなく何故俺に?

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