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がちゃ、と鍵が開く音がした。
「ただいま」
「おかえり。てるみん来てるよー」
玄関にいる純ちゃんに声をかけると、可愛らしい歓声が聞えてきた。
「アフロディ様、今紅茶いれてきます！」
「ありがとう」
「お気になさらず！」
数秒後、台所からお湯を沸かす音が聞えてきた。私にもてるみんにするみたいに優しくしてほしいぜ、純ちゃん。一日だけで良いから(私に)デレまくってる純が見たい。
ツンデレはデレがあるからツンデレなんであってデレがなかったらツンしか残らないんだよ！
「A、本題に入って良いかい？」
「あ、どうぞ」
てるみんが足を組み替えた。静かな目で私を見る。なぜだか感情がないようにも見えて、すこしゾクっとした。
「前に、手帳を渡しただろう？キャラ達の情報や起きたイベントをメモするために」
「うん」
忘れがちだけど、イベントがちゃんと起きてるかどうかをチェックするのが本来の私の役目。前にそれをしなかった時、てるみんに叱られて、イベントとかを書く手帳を貰ったんだよね。
なんだかんだいって、てるみんは優しいと思う。
「それを私に貸してほしいんだ」
「え、なんで？」
「音響に提出するレポートを書かなくてはいけなくて。そのためには手帳が不可欠なんだ」
「そういやてるみんって連絡係だったね。次元と音響を結ぶとかなんとか」
「まあ、格好良く言えばそうなるね」
くすくすっと彼は笑った。おもしろかったですか。純ちゃんが紅茶を運んでくる。てるみんの前に、コップの取っ手の部分が右側になるようにうやうやしく置く。そして私の前にもしゃしゃっと適当に置く。
「....」
「頼めるかい？」
「いいよ」
てるみんが口元に微笑を浮かべて再び聞いてきた。私は立ち上がって自分のスクバの中を探す。毎日学校に持って行ってるんだよ。えらいでしょ。
はい、と手渡すとてるみんはにっこりと笑った。
「数日後、返すよ」
「ういっす」
「じゃあ」
コップを置いて立ち上がると、がらがらっと窓を開けた。彼の背中から白い羽がばっと出てくる。思わずのぞけると、窓の縁に足をかけ、出て行ってしまった。
純ちゃんは床に落ちた羽を拾って、エプロンのポケットに入れる。そして、唖然と窓を見続ける私に、きりっとした表情で宣言した。
「家宝にする」
「私は拒否するけどね」
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綾香 - めっちゃ面白いです！ (2015年1月13日 12時) (
レス) id: 4993db4a9e (このIDを非表示/違反報告)
乃森(プロフ) - 黒翼さん» こんにちは。わざわざコメントありがとうございます。励みになります！更新、頑張りますね！ (2015年1月3日 22時) (レス) id: 09edd095e8 (このIDを非表示/違反報告)
黒翼 - こんにちは！おもしろいです！マジでおもしろいです！これからも更新頑張ってくださいね！ (2014年12月31日 11時) (レス) id: a58796c65d (このIDを非表示/違反報告)
乃森(プロフ) - 樫月さん» はじめまして。面白いとのこと、ありがとうございます！本当に嬉しいです。最近はなかなか更新できなくて、申し訳ないです。ネタも溜まってきてるので、一月に入ったらまたぽちぽち更新開始したいと思っています。応援、励みになります！頑張りますね！ (2014年12月27日 0時) (レス) id: 09edd095e8 (このIDを非表示/違反報告)
樫月(プロフ) - はじめまして！凄く面白かったです！一話から一気に読み進めてしまいました。大変かと思いますが、応援しています。頑張って下さい！更新楽しみにしてます！ (2014年12月25日 0時) (レス) id: ef88a7389b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乃森 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/setsunahp/
作成日時：2014年3月5日 11時
