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鬼道の部屋に入って僕は声を張り上げた。
｢おっじゃましまーす｣
｢ああ、本当に邪魔だ。今すぐ帰れ｣
｢ひどいな、家に招いたのは鬼道じゃん｣
｢俺が招いたのは円堂だけだ！｣
｢え、鬼道ってそういう趣味だったの ? 大丈夫、それでも僕は鬼道のこと大嫌いだよ ! ｣
きゃぴっと可愛くポーズを取ってそう言ってみる。さらに言い返そうとした鬼道を円堂が「まあまあ」となだめた。頭をかきながら円堂が聞いた。
｢お前ら、なんでそんなに仲悪いんだ？｣
僕は少し眉を下げながら呟くように答えた。
｢あのね、鬼道が僕の大切なイチゴオレを盗んだの....｣
｢人の物を勝手に盗るのは泥棒だぞ、鬼道 !｣
｢円堂、違うんだ聞いてくれ｣
鬼道が円堂の肩を掴んでそう言うのを見届けると、僕はさっさと荷物を置いてソファーにダイブする。うん、柔らかい気持ち良い。ヤツのソファーだと考えると癪だけどまあ良いとしよう。
しばらくもふもふと寝転がってると、鬼道がやってきて僕を足で蹴りおとした。ソファーから蹴りおとした。蹴りおとしたんだよ ? ! 信じらんない！
僕がいたところを手で整えるとソファーに座る鬼道。僕は地面であぐらをかいて、頬を膨らませた。鬼道がAのお見舞い来たとき ｢ちょっと良いやつかも｣ とか思った自分を殴り倒したい。
｢うおおお、すっげえ ! ｣
あと、空気を読まずにそう叫んだ円堂も蹴り倒したい。
｢なあ、兄弟とかいるの ?｣
｢知ってるだろう？春奈のこと｣
｢いやそうじゃなくてっ、さっ !｣
｢....俺だけだ｣
ソファーによじのぼろうとするけど、また阻止される。なんなのもう。僕、客人だよね。
鬼道と蹴りあいをしてると(もちろんサッカーやってる鬼道の方が有利)、円堂が声を上げた。
｢お、すっげぇ古いサッカー雑誌！｣
その声に鬼道が立ち上がる。その隙に僕はさっとソファーに座ることができた。鬼道が ｢しまった｣って顔をしたけど、もう遅いもんねっ。べーっと舌を出すと、思いきり舌打ちされる。でも諦めたみたいで、円堂の元へ向かう。
初めて鬼道に勝った気がする。
鬼道が自分の両親の話をし始めるのを聞きながらそんなことを思った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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綾香 - めっちゃ面白いです！ (2015年1月13日 12時) (
レス) id: 4993db4a9e (このIDを非表示/違反報告)
乃森(プロフ) - 黒翼さん» こんにちは。わざわざコメントありがとうございます。励みになります！更新、頑張りますね！ (2015年1月3日 22時) (レス) id: 09edd095e8 (このIDを非表示/違反報告)
黒翼 - こんにちは！おもしろいです！マジでおもしろいです！これからも更新頑張ってくださいね！ (2014年12月31日 11時) (レス) id: a58796c65d (このIDを非表示/違反報告)
乃森(プロフ) - 樫月さん» はじめまして。面白いとのこと、ありがとうございます！本当に嬉しいです。最近はなかなか更新できなくて、申し訳ないです。ネタも溜まってきてるので、一月に入ったらまたぽちぽち更新開始したいと思っています。応援、励みになります！頑張りますね！ (2014年12月27日 0時) (レス) id: 09edd095e8 (このIDを非表示/違反報告)
樫月(プロフ) - はじめまして！凄く面白かったです！一話から一気に読み進めてしまいました。大変かと思いますが、応援しています。頑張って下さい！更新楽しみにしてます！ (2014年12月25日 0時) (レス) id: ef88a7389b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乃森 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/setsunahp/
作成日時：2014年3月5日 11時
