第５９話 ページ12
A「誠也･･･」
誠也「お前はいつも何か思うときはこの噴水広場に来る」
A「･･･｣
誠也「何を俺に隠してる｣
A「っ･･･」
ダメだなぁ、誠也にはもう隠せないや･･･
A「誠也は九条鷹匡を知ってる･･･？」
誠也「？、いや･･･知らないが･･･｣
A「じゃあ･･･デビュー後初めての生放送の、新曲披露の時に突然照明が落ちてきた不可解な事故で足を骨折、火傷したこと覚えてる？」
誠也「あぁ、もちろんだ、それと九条が関係しているのか？｣
A「言ったでしょ、不可解な事故って
あそこのスタジオ、生放送直前までメンテナンスしてたでしょ
なのに私の番に突然照明が落ちてきた
そしてその前日、私は九条と会い、私の子になれと言われた｣
誠也「なっ！？」
A「もちろん断った、だけどアイツは最後にこう言ったの、『今はその答えで良いよ、だけど必ず君は僕の元へ来る』ってね
今考えれば九条は私がクソ親父と兄貴に虐 待されていることを知っていたと思う
だからどんな小細工をしてでも大きな怪我が必要だった
そうしたら『私の治療費を九条が出す代わりに私をくれ』と言ったら、クソ親父は確実に私を渡して九条の養子になる、そう確信していたのかもしれない」
誠也「だがその時は既に家を出た後･･･｣
A「そう、だから親父にそんなことを言っても無駄だった、だから私は今も華月でいられる
これが誠也に隠してきた事だよ｣
誠也「なんで言わなかったんだ」
A「･･･だって、誠也忙しそうだし、私が怪我した後も･･･｣
誠也「悪い、気づけなくて･･･｣
A「ううん、私も気付かれないようにしてたから･･･｣
･･････
気不味い･･･
そう思っていると
誠也「ありがとな、俺を捨てないでくれて」
A「っ！！」
そっか、華月を捨てるってことは結果的に誠也も･･･
A「ﾌﾙﾌﾙｯ･･･誠也が居てくれなかったら私はあの時九条の言葉に乗ったかもしれない、あの時の私は、病んでたから･･･」
誠也「そうかもな･･･でも、もう揺るがないだろう？」
A「もちろん｣
だって、今の私は誠也だけじゃない
皆が居てくれる、必要としてる･･･
だから大丈夫･･･
A「戻ろっか！天にちゃんと謝んないとね！」
誠也「ああ」
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作者名：さっちゃん | 作成日時：2017年1月12日 18時
