Ep22 …【白瀬 裕大】 ページ25
部屋が開くドアの音で目を覚ました。
隣で碧海くんはぐっすりと寝ていた。
多分、彼はあの事件以来、精神的疾患をなにか抱えてたんだろう。
彼が目を覚ましたら病院へ連れて行こう。
そして、ここから引っ越して誰も知らない田舎で二人で過ごそう。
あ、でも、碧海くんは二階堂くんもいないと嫌だって言うかな?
そんな呑気なことを考えてるから、誰が、何を持って部屋に来たかなんて考えもしたかった。
豊「ゆーたくん、あおいくんをかえして。」
白「えっ…。」
間一髪だった。
あと、数センチズレてたら、僕は彼、豊田圭に殺されてた。
白「と、豊田くん?」
豊「きみさ、あおいくんをひどいめに合わせたの、じぶんだって思ってるんでしょ?」
目は虚ろ。口から出る言葉は全て平仮名に聞こえてきて理解するのに数秒かかる。
白「ち、違うの?」
豊「ちがうよ。ぜんぶ、ぼくが悪い大人に頼んでやったの。あおいくんがほしくて。」
意味がわからなかった。
そもそも、彼とはそんな昔から交流があったの?
豊「あおいくんはずっとゆーたくんを探してて、ここでようやくみつけて、すぐに殺すのかと思ってた。
でも…まわりからかためはじめてちょっとめんどくさくなっちゃった。
それに、多分あおいくんはぼくのところにかえってこない。
だからさ、ゆーたくん…
しんで?」
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作者名:のあ | 作成日時:2017年3月21日 0時