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鍋のソースをスプーンですくって味見をする彼女は、その出来に満足するよう頷く。丁度その時、ガチャガチャと鍵を回す音が聞こえ、この家の主人が帰ってきたことを知らせた。
『おかえりなさい』
玄関へ出迎えた彼女に、帰ってきた男は「ただいま」と人懐っこい笑顔を浮かべる。黒髪の短髪である彼は好青年に見られているが、本人は童顔な顔立ちに少々不満を持っていた。
リビングまでの短い廊下で彼女は労いの言葉をかけ、扉を開ければいつものように彼はクンクンと鼻をすする。
彼女はその彼の行動にいつも犬みたいだとクスリと笑うも、「今日の夕飯はハンバーグだ!」と子供のようにはしゃぎながら夕飯のメニューをピタリと当てる辺り、きっと前世は犬なのだろうと納得してしまう。
『当たり。今日は煮込みハンバーグだよ』
『やった! 僕Aの作るハンバーグ大好きなんだ!』
酔ってるわけでもないのにそう言っては彼女に飛びついた。本当に犬だと呆れを混ぜた息を吐いた彼女は、男の触り心地の良い髪をひと撫でしてから身体を離す。
『ほら、早く着替えて。仕事で疲れてるんでしょう?』
『Aの顔見て、それで君のご飯食べたらなんてことないよ』
こういうことを平気でサラリと呼吸のように吐いてしまう彼に彼女は頬を赤らめ、「もう!」とせめてもの抵抗として彼の鳩尾にグーパンを食らわせた。
見事クリーンヒットしたために悶える彼を一瞥した彼女は、夕飯の準備をするためにキッチンへと戻る。
『ほーら、早く着替えて来て。そうちゃん』
『はいはい』
クスクスと悪戯っ子のように白い歯を見せる「そうちゃん」と彼女に呼ばれた彼は、ネクタイを緩めながら自室へと入って行った。
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ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!! 百年!笑笑 私死んじゃってますね笑笑 そう思うと半年ってあっという間ですね〜。半年後、ちょっとでも今より素敵になっていたら嬉しいです。またお会いしましょう! ありがとうございました!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ひなさん» ひなさん! ありがとうございます( ´ ∀`) 最後はちょっとばかり夢主をツンデレっぽくしちゃったので、どうかなー、と思っていたのですが感動的になっていたのなら嬉しいです! また半年後、ひなさんからのコメント待っててもいいですかね!? (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとー! 半年の前にスマホ買ったらおかえりも何もないんだけどね笑笑 でもここではお帰りになるのか! そしたらさっつんに言ってもらおうかな( ´ ∀`) 閲覧とコメントありがとうね。とても嬉しいです!!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うぃーさん» ありがとうございます!! そのシーンを書きたいがために作った作品といっても過言ではないので、そのシーンが印象的に残ってくださることがとても嬉しいです!! 半年後、またこうしてお会いできることを心よりお待ちしております( ´ ∀`) (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ピピコさん» うわ〜私めっちゃ感情描写を書くのが苦手なんですよ( ; ; ) なのでそう言ってもらえると嬉しいです、ありがとうございます!! 半年後にまた会えると嬉しいです( ´ ∀`) 閲覧とコメントをありがとうございました!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年11月14日 19時