5 ページ6
.
『結婚?』
そう聞き返すも、婆ちゃんは何度も頷く。
改めて彼女が結婚すると聞いた瞬間、足元の地面が全てガラガラと崩れていき、そこに落ちていく気がした。
『そうよぉ! 式は誰も呼ばないらしいんだけどね、お写真だけ見せてって頼んだら勿論って言ってくれたの。沖田くんも一緒にどう?』
そんな写真見たら引きちぎりたくなるに決まっているだろう。だって俺は、A姉ちゃんが好きなんだから。
俺の初恋で、最後の恋だと思えるくらい好きなのだ。
引っ越した後も、音信が取れなくなってからも、今も好きなのである。それなのに、彼女は結婚してしまうのか。
『……A姉ちゃん、今どこ住んでるって言ってました?』
『あー……それは聞いてなかったわ』
顎に手を添えて考える素振りを見せるが、うな垂れるように首を横に振った。しかし不意に顔を俺の方へ向けたかと思うと、「そう言えば……」と何か引っかかる声を出す。
『確か、明日は近所のお花屋さんにブーケで使えそうな花を見に行くって言ってたかしら』
この近くのお花屋さんはあそこだけ。
ここは小さな商店街だから、同じようなお店が無いようになっている。だから花屋も一つしかないのだ。
俺は婆ちゃんへ足早に礼を言い、アパートの外階段を一段飛ばしで駆け上がった。
173人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!! 百年!笑笑 私死んじゃってますね笑笑 そう思うと半年ってあっという間ですね〜。半年後、ちょっとでも今より素敵になっていたら嬉しいです。またお会いしましょう! ありがとうございました!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ひなさん» ひなさん! ありがとうございます( ´ ∀`) 最後はちょっとばかり夢主をツンデレっぽくしちゃったので、どうかなー、と思っていたのですが感動的になっていたのなら嬉しいです! また半年後、ひなさんからのコメント待っててもいいですかね!? (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとー! 半年の前にスマホ買ったらおかえりも何もないんだけどね笑笑 でもここではお帰りになるのか! そしたらさっつんに言ってもらおうかな( ´ ∀`) 閲覧とコメントありがとうね。とても嬉しいです!!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うぃーさん» ありがとうございます!! そのシーンを書きたいがために作った作品といっても過言ではないので、そのシーンが印象的に残ってくださることがとても嬉しいです!! 半年後、またこうしてお会いできることを心よりお待ちしております( ´ ∀`) (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ピピコさん» うわ〜私めっちゃ感情描写を書くのが苦手なんですよ( ; ; ) なのでそう言ってもらえると嬉しいです、ありがとうございます!! 半年後にまた会えると嬉しいです( ´ ∀`) 閲覧とコメントをありがとうございました!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年11月14日 19時