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平日の昼間だから永瀬は留守だろう。その時間を狙って俺は来たのだ。緊張によってカラカラに乾いた喉を彼女が淹れたアイスティーで潤し、小さく咳払いをする。
『……何の用?』
『話したいことが、たくさんあるから来た』
見つめた俺の視線から逃れる彼女は、まるで「私はない」と言っているようだった。それでも俺は引いてなんかやらない。
「A姉ちゃん」と名前を呼ぶも、チラチラとこちらを気にするだけの目。俺の方を向いて欲しくて、テーブルに縮こまるように乗せている小さな手の平を包み込む。
『……今まで、どこにいたんですかィ』
『……色んなところ』
濁すのは思い出したくないからか、思い出すほどのことではないからなのだろうか。どちらにせよ、これ以上詮索しても答えが返ってこないのは分かる。
それなら、次の質問に切り替えればいいだけだ。
『……本当に、結婚しちまうんですかィ』
『……するよ』
強張る顔つきと手。そこには決意が現れているのかもしれないが、その中に、揺らぎがある気がしてしまう。
むしろ自分を追い込んでいるような力み具合で、「これしかないの」と彼女は自分自身に言い聞かせていた。
どうして、俺のことを待っていてくれなかったのだろうか。
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ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!! 百年!笑笑 私死んじゃってますね笑笑 そう思うと半年ってあっという間ですね〜。半年後、ちょっとでも今より素敵になっていたら嬉しいです。またお会いしましょう! ありがとうございました!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ひなさん» ひなさん! ありがとうございます( ´ ∀`) 最後はちょっとばかり夢主をツンデレっぽくしちゃったので、どうかなー、と思っていたのですが感動的になっていたのなら嬉しいです! また半年後、ひなさんからのコメント待っててもいいですかね!? (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» ありがとー! 半年の前にスマホ買ったらおかえりも何もないんだけどね笑笑 でもここではお帰りになるのか! そしたらさっつんに言ってもらおうかな( ´ ∀`) 閲覧とコメントありがとうね。とても嬉しいです!!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うぃーさん» ありがとうございます!! そのシーンを書きたいがために作った作品といっても過言ではないので、そのシーンが印象的に残ってくださることがとても嬉しいです!! 半年後、またこうしてお会いできることを心よりお待ちしております( ´ ∀`) (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ピピコさん» うわ〜私めっちゃ感情描写を書くのが苦手なんですよ( ; ; ) なのでそう言ってもらえると嬉しいです、ありがとうございます!! 半年後にまた会えると嬉しいです( ´ ∀`) 閲覧とコメントをありがとうございました!! (2017年12月22日 15時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年11月14日 19時