そう、これは屹度エンディングと云うもの ページ31
あれから。
「…柔らかいのね、すごく。大福みたい」
百合華は頬をそっと指先で触れてそう云った
「でしょう?最近はよく笑うようになったのですよ」
「可愛いものね。ふふ、なんだか見てるだけでも幸せな感じがするわ」
私も中原姓になり
2人の待望の子供ができた
妊娠してからは全然動けなくて家事も仕事もできなかったりしたけれど中也はそんな私を責めることなく支えてくれた
元気に生まれてきてくれたのは女の子
Aは雅美とかいてみやびと読む
出産祝い、と自由に旅をしていた百合華は色々なところのお土産と一緒に訪ねてきてくれた
暁家は伯父様のせいもあって権力は縮小した
百合華は私にもうこうなった上従姉妹なのだから、と呼び捨てにさせた
「ただいま」
「おかえりなさい」
「中也さん、お邪魔してます」
「来てくれたのか」
「えぇ。雅美ちゃん、可愛いですね」
「有難うな。A、抱っこ代わる。ゆっくり話してきな、俺は和室に行っとくから」
「中也こそ今帰ってきたばかりだから大丈夫だよ」
「いいっての、つーか抱っこさせてくれ。雅美に父親と認識されてぇし。な?」
「そこまでいうなら…ありがとう。じゃあお願い」
「任せとけ」
ちなみに私が入院している間に時間を作っては育児教室等にしっかり行っていたらしい
中也は雅美に話しかけながら和室へと向かっていった
「格好良いしかないなんて思っていましたがあんな可愛らしさというか、そういうところもあるのね」
「雅美の前では基本でれでれになっているのですよ」
顔は私よりなのだが髪と瞳は綺麗に中也を引き継いだ雅美は、遠くから中也と雅美を見ると小さな中也みたいにも見える
いつか大きくなってくるとまた変わるのかもしれないけれど
そのまま百合華と小一時間程、話をした
いろいろな旅で回ったところのことを教えてくれ
またいつか来ると別れた
玄関を出て見送り、姿が見えなくなると戻る
和室へ行くと雅美の背中をとんとんと優しく叩いてやりながら私に人差し指を口に当ててみせる
そのジェスチャーの通り静かにしながら近寄ると雅美は寝てしまったようだった
「通りで静かだなぁって思ってた」
「最初は話したり遊んでいたけどな、割とすぐに寝ちまった」
「ベビーベッドでこのまま寝かせとこうか」
「ん、わかった」
中也の腕の中で眠る雅美は天使のように可愛い
「A」
「どうしたの?」
「ん、好きだぜ」
「…私もだよ」
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長音_chinon_(プロフ) - 椿さん» コメントとお祝いの言葉をありがとうございます。初めはオチも決めずに書き出した上、更新の間隔がだんだんと広がってしまい不安もありながら書いていたのでそのようなお言葉頂けて嬉しいです。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。 (2019年12月9日 0時) (レス) id: a14d8293f8 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても暖かい終わり方で心もぽかぽかしました。とても素晴らしい作品を読ませていただきありがとうございました。 (2019年12月8日 5時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
長音_chinon_(プロフ) - 更新非常に遅くなり申し訳ございませんでした… (2019年6月10日 1時) (レス) id: a14d8293f8 (このIDを非表示/違反報告)
七海@月と星−−君と幸福な世界(プロフ) - 長音_chinon_さん» 勿論、構いません。(有り難う御座います。) (2019年4月25日 14時) (レス) id: 94153de35f (このIDを非表示/違反報告)
長音_chinon_(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 分かりました!ボードいきます!友達申請してもいいでしょうか? (2019年4月25日 14時) (レス) id: a14d8293f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:trbyukki | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trbyukki14/
作成日時:2019年2月10日 16時