あぁ、その子には触れちゃ駄目。なんてったって…

まだ壊れたものは無い ページ2

「中原くん、これ行ってくれるかい？」


「仰せのままに」

任務と書類との繰り返し

次の休みにはさすがにゆっくりしたい


あと三日…

頑張らねぇと


作戦立案は今日終わらせて
あの報告書は明後日までだから明日にまわす
書類整理は悪いが準幹部に任せて
明日までの書類は珈琲と共に徹夜か


……疲れたらまた変な夢を見ちまいそうだな

そんなことを考えて執務室へ戻る


淡々と繰り返す毎日には飽きることも許されない

空が白っぽい青に染まろうが、茜色に染まろうが、闇に染まろうが、

関係ない

「はぁ……」

幾度目かのため息をつきながら書類を睨む

準幹部は先程「え、書類手伝わされるの厭なので整理いってきます！」とか抜かして書類室へ行きやがった

この書類片付けたら作戦立案するか…


また一つため息をついて珈琲を口に入れた




しばらくして準幹部が戻ってきた

「はぁ…作戦立案まだ残ってるんですか」

「はやく終わらせてぇのはこっちもだ、手伝え」

「書類整理頼んどいて帰ってきたばかりの部下にそんなことさせるなんて非道い上司ですね」

せめて一息つかせてくださいよ。と云って準幹部は珈琲を入れて飲む

「中原幹部にも入れましょうか？」

「嗚呼、頼む」

「そのかわりもう帰らせてください」

「残念なことにそれはできねぇな」

「……このブラック企業が」

「ちゃんとその分の給料貰ってるだろうが、つべこべ云わずやれって」

「金で全て解決するのどうなんですか」

「俺に云われてもな」

「砂糖とミルクはどうします？」

「あー…もうブラックでいい」

「あてつけの思いで砂糖たっぷり入れて甘々にしておきました」

「はァ？減給にすんぞ」

「そんな珈琲1杯で給料減らすなんて横暴すぎます」
はいどうぞ、とブラック珈琲が置かれた

その時準幹部の携帯端末から音が鳴る
「あ、治さんからだ！」

「逢い引きか」

「セクハラで訴えますよ」

「何処にポートマフィアが訴えれる法廷があンだよ」

「続きは後でいいですか？」
俺の返事を聞くまもなく通話し始める

「えぇ！本当ですか！あ、じゃあまたあの喫茶店で！」

しばらく話し続けた後

「あ、はーい！それまで川飛び込んで風邪ひいたりしないでくださいね〜」

と、終わったらしい
「それで、作戦どうするんですか？」

「…いいのか？ポートマフィア準幹部と探偵社員って」

「え？なんか禁断っぽいですね」
まるで他人事のように云う準幹部

はァ…
今夜のため息は幾つになるンだか

＊2→←____此がプロロオグとでも云う物か

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