其ノ二 中也said ページ37
浅い呼吸を苦しそうに繰り返すAは頭を撫でながら声をかけても全然楽になってない
いつも通りよりもゆっくりにした歩きについてくるのもしんどそうで更にペースを落として歩いたぐらいだ
矢張り、雨にはものすごく影響を受ける
一応先刻までいた場所は雨は降っていなかったのだが
その近くではぽつぽつと降り出して来ていたらしくそれを無意識にも感じとってしまったのだろう
そろそろ雨にでも殺されてしまうのではと厭なことを考えてしまう
否、死なせてたまるか絶対に
とはいえ眠りにつくこともできずAはひたすらに苦しそうなままだ
ぴくりと一瞬Aの指が痙攣する
顔の前に放り出されたその手に自分の手を繋いでいた時のように重ねてみる
するとAは少し安堵した表情を浮かべ目を閉じた
中「繋いでいたかった…のか。そりゃそうか、云ってくれてたのにな。気づかなくて悪ぃ…」
体調が整って、家に帰れたらまたキスしよう
中「もっと気をつけとけば良かったな、御免な…」
どうにか眠りにつき始めたらしいAを見ながらそう呟くような謝罪をする
中「……おやすみ、A」
手の握り方を指を絡ませるようにして額へそっと口付けた
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Aせっかくの休日を、デエトを…ごめんなさい
中「ンなこと云うなって。Aは何も悪くねぇし楽しい時間もあっただろ?」
Aありました、けど…台無しに…
中「そんなことねぇから大丈夫だ。だからそんな申し訳なさそうにしなくていい。それに今日はまだ楽しみがあるしなァ?」
笑ってみせるとAもつられて口角を少しあげたが【楽しみ】が何かに気づいてすぐに少し目線を逸らせた
耳の先を紅くしている
そんなAを抱きしめて
本当に殆ど云えてなかった言葉を云う
中「大好きだ、A」
Aは吃驚していたようだが
抱きしめ返してくれた
A私も、です。
想定していなかった言葉は
とんでもないほど俺を嬉しくさせて
愛おし過ぎるAをもう一度ぎゅっと抱きしめる
しかしAは更にもう1つ驚く言葉を放った
A中也が良ければ、でいいので…今日、矢っ張り抱いてくれませんか
中「どうした?今日は体力も少ねぇし、嬉しくはあるけど俺はAに無理して欲しくねぇぞ?」
A体力がないのは…重々承知ですが、それに、私の我儘になるんですけど
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長音_chinon_(プロフ) - りんさん» いつもありがとうございます!!これからも頑張りますね!記憶はまだ戻ってないですね…きっといつか… (2019年8月17日 0時) (レス) id: a14d8293f8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編おめでとうございます続き楽しみにしてますよかったです(´;ω;`)記憶がまだなんだ……(´;ω;`)(´;ω;`) (2019年8月16日 23時) (レス) id: bd39a087a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:trbyukki | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trbyukki14/
作成日時:2019年8月16日 23時