結末 ページ8
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そして、私が本丸に入ってから何も見えなかった理由。
答えは政府の人間に目隠しをしていたバグ三日月なわけだけど。
見られたら困るものがあったんだろうな。
例えば、今ここの審神者の形が『刀』だとしたら。
そうしたら、私だけ見えないのもわかる。
じゃあ、『誰にも見えない三日月』は？
「三日月、刀納めて1回」
「……あい、わかった。」
「ねぇこの本丸の三日月宗近。もしかして自分の本体に審神者に入れた？」
『……、』
「そんなことしたら、消えるの分かってたよね？え、何？私の真名でも欲しい？」
『シンめい、……』
1回、ここの審神者の真名を奪って刀に納めたのなら、次に来た政府の人間の真名と審神者を入れ替えたらいい。
そうしたら、審神者は人に戻ってそして三日月はバグが無かったことになる。
そして、私はなかった存在になる。
うーむ、色々と難しい。
そもそもの話、私が入れ替わったとてややこしくなるだけで何も変わらない。
ただただ私の存在が消えるのみ。
だけど残念。
｢生憎だけど、私の真名は時の政府に縛られてる。あんたが奪おうと思ったって私は縛れもしないし、隠せもしない。残念だったね。ただの刀剣男士くん。｣
『……、！……、』
バグ三日月は最早、天下五剣の三日月宗近では無い。 ただの刀。
そして、1度刀に魅入られた審神者はもう人間に戻ることは出来ない。
それが、世の理。
「三日月、帰るから私の腕掴んで引っ張って」
「…あい、わかった。」
グイッと腕を引っ張られ、色々な声のする玄関を出る。
転移装置に入った瞬間に聞こえた言葉は。
『……棄てないで……』
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作者名：名無し子 | 作成日時：2024年2月20日 1時
