神刀 ページ6
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「思ったより、綺麗…？」
「のようだ。」
前に見たブラック本丸は概ね草木が枯れて空が淀んで空気が重くて、入ってきた瞬間に狙われる。ってことが多かったはずなのに。
あまりにも綺麗すぎる。
さっきまで審神者が居て、出陣して内番をしていました。の言わんばかりの空気。
「気配すらないな。」
1度抜きかけた刀を鞘に納めながら呟く三日月。
「やっぱり、神様の気配もない？審神者様の気配すら感じない。……そもそもここほんとに本丸？」
「うーむ、本丸で間違いないはずなんだがなぁ。」
2人でボヤきながら本丸の玄関土間へ足をかけた瞬間に声だけが聞こえた。
「誰だい？」
石切丸。
三日月宗近と同じ三条の大太刀で、神刀……
隠される？！
さりげなく三日月の後ろへ体を下げる。
「はは、そんな構えなくても取って食ったりはしないよ。まぁ、上がっていきなよ。」
三日月と顔を見合わせ、そして本丸へと上がる。
ギィッと軋む音がして、大広間へ案内される。
「主から何も聞いてないけど、君は政府の人間だよね。」
「……えぇ。5ヶ月ほどこちらの審神者から連絡が無いため生存の確認に……。」
「あぁ、なるほどね。ちょっと待ってね、今主を呼んでくるから。」
そう言って、番茶を出してくれた石切丸さんは、奥へとはけていった。
「……三日月、さん。」
「無理につけんでもいいぞ。」
「うす………あの、石切丸しか居ないの何か……」
「うむ、変だな。……しかも、ここの審神者を呼びに行ったぞ。」
「何かある……？」
「あるな…して、ここの審神者は何ものかな。」
番茶も無闇矢鱈に呑むな。と釘を刺された。
何故かこの本丸に来てから喉が渇いていたからちょっと残念。
仕方なし。
「そもそも主は、声しか聞こえない石切丸に疑問はないのか？」
「え、あー…私に霊力とかそういうのがないからだと思ってたや。」
「いや、政府で働いているんだから霊力くらいあるだろう。」
「そうか。……え、なんで声だけ……？」
でも、番茶を置いて奥へ下がって行ったのはわかったけど……。
「うーん、主やこれまた厄介なモノに掛かったな。」
「え"……最悪だ……最悪だぁ…………」
三日月は呑気に笑って番茶を飲み干した。
やっぱり政府の刀はいいな。飲んでもきっと隠されないんだろうなくっそお……
「…………それで、いつまでそこに隠れているつもりだ？」
「は？」
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作者名：名無し子 | 作成日時：2024年2月20日 1時
