払暁 ページ21
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「…外観に異常なし、畑も普通……馬も健康……と、」
「……？大将、なにをやってるんだ？」
「…！あー、一応定期面会のテイで来てるからね建前ってやつですよ。」
薬研は、人間は面倒なんだな。と、池の鯉を眺めながら呟いた。
そうだよ、大変なんだよ。1番のブラックは政府だからね！！
『お待たせしました、お茶が入りましたので宜しければどうぞ。』
「ああ、どうも」
一見、善良な審神者に見える。
だが薬研いわく、刀剣男士の傷は見えないところについている。少しでも痛がる素振りを見せたら拳が飛ぶ。 らしい。
分霊であるこの本丸の薬研から聞いたから間違いない。と
「………大将、お茶飲まない方がいいかもな」
「大丈夫、出されたものは相手が口をつけるまで手をつけたらいけないって習ったから。」
「そんなマナーはないぞ。」
大広間のど真ん中、ぽつんと置かれた座卓。
巴形さんが座布団を置いてくれた。
『して、定期面会とは？』
「あー…最近導入されましてね。ほら、色々厳しくなりましたから。」
薬研は、出されたお茶にふっと息を吐きそして啜った。
『ははは、ハーブティーです。おや、政府では出ませんかな？』
「……俺は日本茶が好きだな」
一瞬顔を顰めた薬研を嘲笑しバカにしたように言ってくる。
だが、薬研の方が1枚上手のようで。
少しだけ悔しそうな審神者の顔が見れて満足。
まぁ、政府の刀だ。ゴーサインを出さずともこいつをスパンと切っていただろう。
隠蔽も可能だしね。
「失礼ですが、東雲本丸の刀剣男士を全振り確認させて頂けませんか？政府管理の刀帳データと照らしあわせたいので。」
『……、今連れてきます。おら、立て。行くぞ。』
ずっと、審神者の後ろで待機していた巴形を乱暴に引っ張り奥へと行った。
「神様に随分罰当たりなこった。よく分からんお茶もだして。」
「…ハーブティーじゃないよこれ。」
「知ってる、俺は薬のことも知ってるんだ。これ毒草だろ。」
「だから、飲むなって言ったんだね。作ったのが君だから。……全くいつから入れ替わってたの？」
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作者名：名無し子 | 作成日時：2024年2月20日 1時
