妖怪が目覚めた日 拾捌 ページ20
百架と鬼太郎はたちまち爆煙に飲み込まれてしまった。
「先輩！」
「鬼太郎！」
まなと目玉おやじの声が響く
やがて爆煙は晴れ、そこに姿を現したのは百架を横抱きにする鬼太郎の姿があった。
「少年、そろそろ降ろして」
まるで何事もなかったかのように無表情かつ淡々とした口調で言う百架をチラリと目をやり、鬼太郎は静かに降ろした
「先輩！」
まなは走り出し、勢いよく百架に抱き着いた
その際に目玉おやじを離してしまったことには気付かない
「まな……」
「よかった、本当に……」
「うん、心配かけてごめん」
百架はまなの背中をポンポンと叩く
それに安心したのかまなは今度は百架の隣にいた鬼太郎に抱き着いた。
「鬼太郎やったねー！」
「く……苦しい……」
「あんなでっかいの、たった一人でやっつけたんだね！」
鬼太郎の苦し気な声にも構わずまなはすごいすごいと興奮気味に声を上げる
「単純にやっつけるとか負けるとかいう問題じゃないんじゃ
妖怪というものは__うわ〜！」
そんなまなのそばに歩みを進め、説教じみた口調で目玉おやじが語り掛けるが
今や周りが見えていないまなの踵に当たり転がってしまう
そこへ百架が目玉おやじを掬い上げた。
「おお！お嬢さん、ありがとう」
「いえ……」
百架は目玉おやじを肩に乗せ、鬼太郎とまなに視線を向ける
「少年」
そしてまなからようやく解放された鬼太郎に声をかけた。
鬼太郎は顔を向け、そのまま百架へと体を向ける
「その……」
百架は口籠ってしまう。
無理を言って連れて来てもらったのに足を引っ張らないどころかまたしても助けてもらったのだ
その気まずさで鬼太郎から視線を逸らしてしまう
けれども助けてもらったことには変わりなく
百架は今一度鬼太郎の目を真っ直ぐ見る
「ありが＿＿＿＿」
百架の言葉は最後まで続かなかった。
何か衝撃を受けたように鬼太郎が体を硬直させ、そのまま百架の方に倒れたからだ。
戸惑いながら視線を落とすと、そこには自身にもたれかかった鬼太郎、そしてその背中には深々と刺さった矢が目に入る
はっと息を吸った空気は震えており
それが動揺によるものだと認識した時
闇夜の静寂を劈くようなまなの悲鳴が辺りに木霊した。
こうして出会ってしまった人間の少女と妖怪の少年
その先にもたらす運命は、神でさえ知りえない事だろう。
続く
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花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月31日 17時) (
レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - レモンさん» コメントありがとうございます！１話書き終わるごとに更新していますのでもうすぐで公開する予定です！ (2018年10月11日 17時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 面白かったです！続きが気になります！ (2018年10月11日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
夢まりも - 雪華さん» 応援ありがとうございます！余裕が出来たらリクエストを募集しようと思っています。 (2018年10月11日 6時) (レス) id: 213a5fa962 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - こちらこそすいませんでした。最新頑張って下さいね。 (2018年10月10日 19時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢まりも | 作成日時：2018年9月30日 11時
