猫、守る ページ21
さすがの三日月も驚いた表情を見せる。こんなにも怒った主(黒猫)を見たのは初めてだったからだ。
「ぐっ！いってぇ！！何すんだこの野郎！！」
顔や手には主の見事な引っ掻き傷が幾つも。瞳孔が変化し、唸り声を上げ、また飛びかかりそうな様子を見て感づいた男。
「まさか、お前みたいな黒猫がここを修復したのか？」
こう言うと、男は笑い声を上げる。
「こんな奴のどこにそんな事できるんだよ。お前らもこいつのせいで頭はおかしくなったんだろ？笑えるぜ。だが、ここの主は俺だ。ほら、そこ退け」
審神者の部屋へ向かおうとする男に再度飛びかかる黒猫。爪を出し、さらに腕に噛みつく。
「いってぇぇ！！この野郎っ！！」
加州清光
「主！」
「あ？こいつがここの主だと？俺がここの主だ！お前は失せろ！」
黒猫を無理やり引き剥がし、本丸へ思いっきり投げる男。黒猫は投げ飛ばされ障子にぶつかる。物凄い音を立てて障子が壊れ、黒猫が転がる。
へし切長谷部
「主っ…！」
大和守安定
「お前っ！！」
男の声と刀剣の声に次第に集まってくる他の刀剣たち。状況を目の当たりにする。
「所詮猫なんだよ。人間様に適うわけねぇ。ほら道を開けろ」
三日月宗近
「お主の行動には失望したぞ」
「あ？」
三日月の声を合図に、他の刀剣が刀を向ける。余裕をこいていた男だが、次第に表情が変わる。周囲にいる刀剣、全振りが殺意の込められた刀を向けていた。
へし切長谷部
「わかってんだろうな。俺達の主を傷つけた。その罪がどれだけ重いか」
一期一振
「斬り刻まれても後悔しないでしょう。それほどのことをされたんですから」
大倶利伽羅
「俺達の前でいい度胸だな」
鶴丸国永
「驚かされたぜ、お前の行動には。ほら腹くくれ、身体が真っ二つになったって驚かせてやるさ」
じりじりと刀剣が迫ってくる。さすがにまずいと思った男は、尻尾を巻いた子犬のように逃げて行った。
三日月宗近
「はっはっはっ、情けない奴だったな。あの男は俺たちを余程甘く見ていたのだろう」
加州清光
「主、無理に歩いちゃだめだよ！」
投げられて全身を打ち付けているはず、無理に歩いては身体に悪い。加州清光が主(黒猫)を抱き上げ、審神者の部屋へ急いで向かう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミライ(プロフ) - まーちゃんさん» コメントありがとうございます。構想は練っているのでいつかは文字にして書きたいと思います。 (4月24日 0時) (
レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
まーちゃん(プロフ) - とても面白かったです。 できたら学校でいじめられてる子がブラック本丸の審神者になる﹆そう言う夢小説が読みたいです 出来たらで大丈夫です。これからも頑張ってください (4月24日 0時) (レス) id: 6350c1876f (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - ローズクロスさん» ありがとうございます！ (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
ローズクロス(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み始めてから毎日、更新を楽しみにしてました☺ (4月22日 21時) (レス) id: 928643df23 (このIDを非表示/違反報告)
ミライ(プロフ) - 赤瑪瑙さん» ありがとうございます！ (4月22日 21時) (レス) id: 17218a0b9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミライ | 作成日時：2024年1月26日 0時
