組紐 ページ34
『私は自分が何故生まれたのか、何処で生まれたのかをこの目で確かめたかった。それと、強くなるための修行を兼ねて』
ゆっくりと話すA
うんうんと、頷く
『何回見ても、私がいつどこで生まれたかはわからなかった。そして、今日までに私は色んな人たちの手に渡って、色んな人を斬って来た。……呪いの刀とも数多く言われてきた』
鶴丸国永
「そうか…」
やっぱり、そう言われてきた歴史は消えないか…
『でも、逆に考えてみたの』
その声色は悲しみというより、自信のような
『沢山の人に使われてきたからこそ、様々な思いがあるんだって。希望や絶望、そこには呪いだってあることもわかった。
今までは、何で呪いなんかって思ってたけど、その呪いだって込められた思いがある。
その思いも受け入れてこそ、本来の私だって…やっとわかったんだ。
凄くキツかったけど、こうやって新しい力を手に入れて、皆を主を守れるようになれた。
皆、心配かけてごめんなさい』
言い終わると、俺の方に来る
『ごめんね、鶴。謝りもせず修行に行って…』
鶴丸国永
「いや、俺の方こそ悪かった。だが、驚いたぜ、A！めちゃくちゃ強くなってるじゃねぇか！」
『そう言ってくれて嬉しいよ』
大倶利伽羅
「その刀は大太刀か」
『うーん、大きさ的にも…大太刀だね』
華奢な身体で、刀剣女士ってのもあるせいか
大太刀って言われると、凄さをより感じる
よく振り回せるな…
燭台切光忠
「あ、そうそう。この前、鶴さんが鈴の付いた白い組紐を見つけてたんだけど」
『え！見つけちゃったの！？』
鶴丸国永
「部屋掃除してたらな、偶然見つけたんだ。だが、さっきの戦いで…切れちまった…すまない…」
『なら、また作るよ。鈴は壊れてないし。ほら、私のとお揃いだからさ、帰ってきたらあげたかったの』
加州清光
「ほらー」
大和守安定
「ほらー」
鶴丸国永
「な、なんだなんだお前ら」
『私が言わなかったから仕方ないよ。でも嬉しいな、付けてくれたんだ』
鶴丸国永
「まあな。付けてると、Aが傍に居るような気がして落ち着くんだ」
『！』
真っ赤になるAの顔
鶴丸国永
「！(ﾌｲｯ)……」
なんか…顔を逸らしたくなった
『ほ、ほら主がよ、呼んでる』
鶴丸国永
「お、おう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミライ | 作成日時：2024年1月5日 20時
