呪われし刀剣女士【刀剣乱舞】 (ページ33)

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過去の話ページ33

その人は俺に背を向け、時間遡行軍に大きな刀を向けた

__叩き斬る

大倶利伽羅
「！」

叩き斬ると聞こえた瞬間、目の前の時間遡行軍が薙ぎ倒されていく

堪らず、後ずさる時間遡行軍にも容赦なく畳み掛ける

あんな華奢なのに、大きな刀を振って…

その人(？)と時間遡行軍がお互い刀を構え距離を取り、見合う

ふわっと風が吹き、フードが取れた

髪は高く結われて風に揺れ

結ってある白い組紐についた鈴が、チリンチリンと可愛い音を奏でる

__私が相手になる。皆には指1本触れさせない

聞き覚えのある声

鶴丸国永
「君…まさか…！」

俺の声に振り返ったその人の綺麗な赤い瞳

艶のある銀髪

紛れもない、俺の知ってる奴は…1人しか居ない

鶴丸国永
「…A……なのか…？」

以前のような痛々しい姿は無く、凛とした立ち姿

『鶴』

鶴丸国永
「！」

『よく頑張ったね。後は任せて』

深呼吸したAは刀を構えた

防御を取ろうとした時間遡行軍も、お構いなしに斬られていく

刀を振るう姿は勇ましさすら感じる

そして、

『お前が最後だ！』

時間遡行軍は全て殲滅された

日が差し込み、Aを照らす

思わず息を呑んだ__美しく輝いていたから

ﾁｬｷ…と静かに納刀し、俺たちの方に歩いてくる

鶴丸国永
「ほ、ほんとにAなんだよな…？」

『うん』

大倶利伽羅
「今まで何処行っていた」

燭台切光忠
「A…なんだよね？」

太鼓鐘貞宗
「なんか…雰囲気が違う…」

『私が何処で何をしていたかは後で話す。ごめん…私がもっと早く来ていれば、皆がこんなに傷つくこと無かった』

鶴丸国永
「なーに言ってんだ。Aが戻ってきただけで嬉しいぜ」

『ありがとう。さ、主のところに行こう』

もちろん、主であっても全振りを1日じゃ手入れできないから、重傷の刀剣を優先

鶴丸国永
「よし、聞かせてくれよ」

Aが帰ってきたことが他の刀剣にも知れ渡り、話を聞きたいとなり

大広間に集まった

Aが着ている今の戦闘服

上は黒の長袖に白い巫女服を重ね

下は上の巫女服に合わせた袴のようなもの

黒のブーツと

力強さと身軽さを兼ねた服だ

今剣
「Aさん！おかえりなさい！そのふく、とってもかっこいいです！」

『ありがとう、今剣。じゃあ、私の過去の話をしよっか』