花言葉 ページ27
出陣を繰り返し、俺はいつも通りの日々を送っていた
だが、
「な、A！って…そうだ…居ないんだった…」
「Aー！光坊特製のずんだ餅って…そうだった…」
「主、Aをって…悪い、何でもねぇ…」
いつも一緒に居たから…
やっぱり寂しいってのは忘れられねぇ…
小夜左文字
「あの。これを」
鶴丸国永
「おぉ、小夜か。この花は？」
小夜左文字
「以前、Aさんと一緒に育てた花です」
小夜の手には、小さな白い花
小夜左文字
「これ、カスミソウっていう花です」
江雪左文字
「小夜。ここに居たんですね」
小夜左文字
「兄様」
宗三左文字
「実は、Aさんから花言葉を教えていただいたんです。鶴丸さんの持ってるそのカスミソウには、「清らかな心」「親切」「幸福」などの花言葉があるそうですよ」
鶴丸国永
「花言葉…か」
まるで、メッセージみたいな言葉だな
宗三左文字
「鶴丸さん。ちょっと花壇に来てもらえますか？」
……
鶴丸国永
「この花は？」
宗三左文字
「わかりません。いつの間にか咲いていたんです」
静形薙刀
「何だ…？」
花壇に植えられていた花
広範囲ではなく、手のひらほどの範囲という狭い場所で
宗三たちは植えた覚えはないと言った
歌仙兼定
「その花は、Aが植えたいと言ってた花だよ。確か、カモミールだったかな。勝手に植えてごめんなさいって言っていたよ」
宗三左文字
「そうでしたか。僕たちもこの場所に何の花を植えようか悩んでいたので。ですが、何故カモミールを？」
小夜左文字
「この時期に咲くから…？」
江雪左文字
「意図して植えたのでしょう」
歌仙兼定
「Aのみぞ知るってことだね。さ、昼餉が準備出来てるよ」
Aのことだ
きっと意味を込めて植えたんだろう
小夜左文字
「早く帰ってきてほしいです」
宗三左文字
「そうですね」
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作者名：ミライ | 作成日時：2024年1月5日 20時
