呪われし刀剣女士【刀剣乱舞】 (ページ15)

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気遣いページ15

鶴丸国永
「家族を殺したやつだと言ってたんだ。覚えてないか？」

『…切れ切れにしか思い出せない…』

加州たちの方へ向く

『…加州…大和守…本当にごめんなさい……』

大和守安定
「だ、大丈夫。Aは…」

壊れた襖の木の骨組みを持ち、何をするのかと思えば

加州清光
「ちょっと…！何してんの！」

自分の腕を突き刺したんだ

加州たちや他の刀剣、もちろん俺だって驚いた

鶴丸国永
「おい！やめるんだ！」

『…私が呪われた刀だから…私が…』

一切表情を変えないA

無理やり手から木の骨組みを取り上げた

2箇所ほど刺した場所からは血が流れ出てる

長谷部から、主が俺を呼んでると伝えてきた

正直、なんで今なんだ…と思ったが、向かうしかない

……

加州清光
「おかえり、鶴丸。主から何かあった？」

加州たちは壊れた襖を修復していた

鶴丸国永
「まぁな。A、こっちに来い」

『……？』

呆然と座り込んでいたAを呼ぶ

包帯を外すと露わになる黒ずんだ腕

主から預かった手入れ道具で、刺し傷を治す

　
『…主に何言われたの…？』

鶴丸国永
「何も」

『…折るって…？』

鶴丸国永
「いーや？」

『…刀解？』

鶴丸国永
「違うな」

『…じゃあ、何』

鶴丸国永
「1日でも早く呪いを解いてやりたいって。そうすれば、苦しむことなく普通の刀剣女士として過ごせるのにって」

『……』

鶴丸国永
「こうやって手入れ道具を俺に渡してくることも、Aを怖がらせたくないって、主の気遣いなんだ」

『……』

鶴丸国永
「呪われた刀だからって、そう簡単に手放したり折ったりしないぜ、俺たちの主は」

『…でも…またこうなるかも』

鶴丸国永
「その時はまた止めればいい。ほら、出来たぜ。もう、むやみに刺したりすんなよ？」

頭をわしゃっと撫でる

鶴丸国永
「少しすりゃ、その傷も治る。主の霊力がたっぷり込められてんだ」

『…っ……怖かった…身体が言うこと聞かなくなって…気がつけば、誰かを傷つけてた…自分じゃない誰かがいるみたいで…』

持つものは命を落とすだの、不幸を呼ぶだの、呪いだの

散々言われてきたんだ

でもここじゃ、そんなこと誰も言わないさ

鶴丸国永
「よーし、明日は海だな。おーい、お前ら準備しとけよー」

粟田口の短刀たちは、「海だー！」と喜んでる

『…鶴』

鶴丸国永
「行こうぜ。な？」